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.......あたたかい。
パチリ、と小さく薪の爆ぜる音でAは目を覚ました。
「こ、こ...........」
上等とは言えないが、閉じ込められていた見張り塔の簡易的なベッドよりはずっと柔らかい寝具の上にAは寝かせられていた。
「何がどうなったんだっけ.......、...........、
物音を聞きつけたのか、がばりと起き上がったAの向こうで部屋のドアが開いた。
「A......！目、覚めたんだね良かった.....！」
「キョウ、カ......！？どうしてあなたがここに....！？......っ、」
「ほら、急に起き上がったらダメだって。
それに、友達が酷い目に遭ってんのに、じっとしてなんて、らんないじゃん。」
そっとAに布団をかけながら、ジロウは泣きそうに微笑んだ。
「良かった........！ほんと、無事で.......っ、
............他のヤツらも、みんなおんなじ気持ちだよ。」
遠慮しないで入って来なって。そうジロウが声をかけると恐る恐る、といった様子でドアが開いた。
「殿下..........！起き上がってお体に触りありませんか......！
クッ、魔族め、これまでの殿下の境遇を思うと........！」
「.....栄養のある食事も期待できなさそうだし、敵陣の中ろくに眠ることもできんかったんやね.....。
お姫様、お辛かったでしょうに、気丈に振る舞われて........糸が切れたように眠っていらっしゃいました。」
進み出た2人が喋ったのにAは目を丸くした。
「公爵家の、イイダくん......！もう、その殿下って呼び方やめてって言ってるのに。相変わらずね、また背が伸びたのではない？」
自身の状況を鑑みず、いつものように微笑みかけられて、イイダは泣きそうに微笑み返した。
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作者名：泉
| 作成日時：2023年11月12日 22時
