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空に銀砂を撒いたような星明かりが、丈の高い草原でも迷わぬほどに明るく照らしていた。
この島ではこれくらいの星月夜は日常で、それよりも先程の出来事に早鐘を打つ鼓動を抱えて2人は急いていた。
ようやく鬼のような形相の男の気配を感じなくなり、真幌と活真は草陰にしゃがみ込んだ。
「な....何なのよさっきのバクゴーってヤツ.....。
何がNo. 1ヒーローになる男よ、ヴィランっぽいヒーローランキング1位の間違いじゃないの？」
真幌は口を尖らせてそう呟いた。
「あはは！それはあながち、間違ってないかもね。」
直後、真幌と活真の間で上がった笑い声に2人はびくりと目を丸くした。
なんで、さっきまで活真と2人きりだったのに、いつの間に....！
2人と同じように膝を抱えてしゃがみ込み、けらけらと笑っている私服の女子高生を凝視した。
「サクヤお姉ちゃん.......！」
「あ、ごめんね遮っちゃって。うんうんあれは怖かったよねー。」
活真がサクヤお姉ちゃんと呼んだ、ヒーローであろう女子高生は、まだくつくつと笑っていて真幌は拍子抜けした。
その隙に活真が口を開いた。
「でも.....、助けに来て、くれたよ？」
「活真..........。
そんなにヒーローになりたい？」
サクヤの存在も忘れて真幌の口から滑り出た。
そしてその場の誰も口を開かなかった。活真のバッグの、エッジショットのバッジだけが淡い星の光に煌めいていた。
「.....反対だな、危険だし。」
ぽつ、と呟くとサクヤの視線が上がってこちらを見つめるのがわかった。
それに対抗する意味も込めて口を開いた。
「それにあたしっ、ヒーローよりもっとカッコいい人知ってるもん。」
「「誰？」」
きょとんとした活真と、にこにこしたサクヤとが声を合わせて言ったのに気をよくして、真幌は得意げに言った。
「お父さん。
私と活真のことをいつも考えて守ってくれてる。
活真には、そんなカッコいい人になってほしいな。」
「それは、私たちどんなヒーローも、敵わないなぁ！」
ヒーローも形無し、そう言いたかったのに、サクヤに満面の笑みで嬉しそうに言われて出鼻をくじかれた思いだ。
「そう、さっきのことで、活真くんは私たちヒーローを信じてくれて、
そして真幌ちゃん、だったよね？真幌ちゃんは、活真くんを心配しての画策だったわけだ。」
そう言って静かに伏せるまつ毛が綺麗で、思わず見入った。
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泉(プロフ) - Lavenさん» サクヤは本名ではなくヒーロー名なので、ヒーロー活動中はヒーロー名表記を心掛けております。シーン表現として加味していただければと思います。 (2023年3月19日 23時) (
レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
Laven(プロフ) - 名前がサクヤって表示されたり、自分が入力した名前になったり分かりずらいです…｡ (2023年3月19日 22時) (レス) id: 0953f1e7f7 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 墨香さん» すみちゃぁぁぁぁいつもありがと...！ほんと、いつも君の言葉は私を掬い上げてくれる。筆をとったこと、後悔しないようにしてくれてありがとう。一緒に楽しめるように、がんばる。 (2022年6月20日 21時) (レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - じゃんみくさん» ありがとうございます！！サクヤにものすごいクソデカ感情を抱いて下さってるのめちゃくちゃ嬉しいです*楽しんでもらえるように、したいなぁ。 (2022年6月20日 21時) (レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - えぬさん» ありがとうございます！もしやエスプレッソ100票の方！？違ったらごめんなさい。Twitterやってます！izumi_morningですよろしくお願いします！せっっ先生！？なんて恐れ多いですが嬉しすぎます！ぜひお声かけて下さい* (2022年6月20日 21時) (レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉 | 作成日時：2022年6月19日 17時
