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「完全にごった返してんじゃねぇか。」
会期も中頃だっつうのに、落ち着くどころじゃねぇ人の量に面食らった。
開始直後はバタつくことが予想されたし、終盤に行くのも、Aの顔色が心配だったため避けたかった。
所縁ある国とはいえ、異国の地で初めての個展だなんぞ、妙に思い切りのいいアイツらしいっちゃぁアイツらしかったが、同時に心配でもあった。俺が居ねぇ間にキツイ思いしてなきゃいいが....。
少しの焦りもあったが、在廊すると言っていたAの元へ辿り着く前に、できるだけゆっくりと展示に足を進めた。
『白の印象派 HUE』、そう書かれたデケェ白い看板をくぐって展示会場に入ると、思わず息を呑んだ。
「........................ッ、！」
いつか、Aのマンションで見た、月明かりに照らされる『月の道』を目にした、あの時の衝撃を思い出していた。入って真正面に、壁一面ほどもあろうかという、白いキャンバスが出迎えた。
アートコンサルとか言うヤツの差し金か知らねぇが、フザけた展示形態だな。その型破りな展示内容にそんなことが過りつつ、いつの間にか口角が上がっていた。
白く塗られたキャンバスなのに、それは確かに、揺れる柔らかい陽光だった。
.................Aだ。
ゆっくりと展示ルートに沿って歩いたが、絵の１枚１枚、立体のひとつひとつ、全てがAで。どうにも気持ちが弛んじまうと言うか。口元が弛まねぇように食いしばるのに苦労した。
そして展示の最後には、ひとつの像が空間の中央に設置されていた。
これは。
前のマンションのアトリエで、作っていたものだ。
その時の、ふわと揺れる陽光を孕んだ白いカーテンを思い出した。その少女の像が纏うドレスの布は、その時の陽光で染められたように、同じ柔らかい光をたたえていた。
『白い踊り子』、とAの華奢な字でキャプションが添えられていた。
展示の出口を前にして、ふと振り返って会場を見渡した。
会場の、その誰もが口元を弛ませて、穏やかな顔で作品と対峙していた。
..........まんま、Aだったな。
あたたかさで満ちたような心持ちで、出口のゲートを通り抜けた。
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泉(プロフ) - トガさん» 死ぬほど返信遅くなってごめんなさい。。もちろん覚えてます！私の、と言って下さったのは衝撃で本当に嬉しかったです*ここまで見て下さっていて本当にありがとう。これからもと言って下さって本当にありがとう。。トガさんは私にとって特別なかたです* (2020年2月25日 8時) (
レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
トガ - 泉さん» 覚えてくださってたんですね！光栄です、、泣 大好きな作者さんから最初のファン認定を貰えたなんて嬉しすぎます。これからもずっとファンで居続けるつもりです (2020年2月13日 0時) (レス) id: 98e58341d2 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - トガさん» あ...トガさん！まだ見て下さってた...嬉しい...！一伽ちゃんの名字には、貴方のお名前をいただきました....！最初に、私のファンと言ってくれてありがとう.....！言えて良かったです...ありがとう、ありがとう。。 (2020年1月28日 0時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
トガ - 一番好きな作者さんです。ずっと応援してます！ (2020年1月27日 22時) (レス) id: 27576cbc43 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - つるぎさん» こちらこそ遅くなってごめんなさい！登場人物全員大事と言って頂けてじーんとします。。物語を受け取って下さって、私の想いまであたたかく受け止めて下さっていて、とても感慨深いです。そして引っくるめてあたたかい、と言って頂けて幸せです。いつも本当に感謝です* (2020年1月19日 20時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉 | 作成日時：2019年11月8日 19時
