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もうある程度見慣れたエントランスのセキュリティ画面を、いつもの手付きで開錠した。
Aの部屋の前に辿り着くと、ポケットからキーを取り出した。チャラ、とキーホルダーが音を立てる。試しに作ってみたとAがはにかんでいた、金属のバーに HERO と彫金された作品。視界に入る度少し嬉しさが差す。
ガチャ、と玄関を開けると、奥からかすかに音楽が聞こえる。
リビングのドアを開けると、フワと風が動いた。窓が開けられているようで白いカーテンが柔らかく膨らんでいる。Aの匂いがする。優しい、すげー良い匂い。
奥のアトリエの方に目をやると、白いカーテンの側の机に、エプロンをかけたAが居た。
揺れるカーテンの側、ふわとなびくウェーブがかった栗色の髪。
こちらに気付く様子もなく、小さく曲に合わせて鼻唄が漏れる。
その白く細い手の中では、何か立体物が作られているようで、机の上には粘土が転がっている。
白い光に包まれたその光景は、どこか違う世界の日常のようで、
綺麗だった。
「................綺麗だな。」
思わず、だった。俺がそう一言漏らしたので、Aがこちらに気付く。
ピャッ！と音がしそうな勢いでAが跳ね、同時に髪が白くなる。やっぱ驚いたカメレオンみてぇ。
「白じゃなくても気にしねっつっとんだろ。」
は、とした顔でじわ、と段々先ほどの栗色に戻っていく。近寄ってその長い髪を撫でてやると、少し安心したような嬉しそうな顔で「勝己さん、いらっしゃい。」と言った。
「なんか作っとんか。」
「うん、今度、個展をやらないかと、こないだの装画のお仕事の企業から声をかけてもらっていて。内容は好きにしていいと言われているので、久しぶりに立体をと思ってね。」
私、ドガとか好きなの。これは石塑粘土だけれど。
そう言って、バレエ衣装のようなものを纏った少女であろう、真っ白な作りかけの像に視線を落として笑っている。
................やっぱ、綺麗だ。
自分のなりてぇモンに向かって歩き始めた、強くて、果てしなく優しいコイツの世界。
美しいそれに、その頬に伸ばそうとした手が止まる。......何を躊躇してんだ、俺は。
「........？」
伸ばしかけ、中途半端な空中に留まっている俺の手に、Aがその柔らかい頬をすり寄せた。そして満足そうにふにゃりと笑う。
フッ、と思わず、口元が弛んだ。
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泉(プロフ) - トガさん» 死ぬほど返信遅くなってごめんなさい。。もちろん覚えてます！私の、と言って下さったのは衝撃で本当に嬉しかったです*ここまで見て下さっていて本当にありがとう。これからもと言って下さって本当にありがとう。。トガさんは私にとって特別なかたです* (2020年2月25日 8時) (
レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
トガ - 泉さん» 覚えてくださってたんですね！光栄です、、泣 大好きな作者さんから最初のファン認定を貰えたなんて嬉しすぎます。これからもずっとファンで居続けるつもりです (2020年2月13日 0時) (レス) id: 98e58341d2 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - トガさん» あ...トガさん！まだ見て下さってた...嬉しい...！一伽ちゃんの名字には、貴方のお名前をいただきました....！最初に、私のファンと言ってくれてありがとう.....！言えて良かったです...ありがとう、ありがとう。。 (2020年1月28日 0時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
トガ - 一番好きな作者さんです。ずっと応援してます！ (2020年1月27日 22時) (レス) id: 27576cbc43 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - つるぎさん» こちらこそ遅くなってごめんなさい！登場人物全員大事と言って頂けてじーんとします。。物語を受け取って下さって、私の想いまであたたかく受け止めて下さっていて、とても感慨深いです。そして引っくるめてあたたかい、と言って頂けて幸せです。いつも本当に感謝です* (2020年1月19日 20時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉 | 作成日時：2019年11月8日 19時
