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「ねぇ.....、」
抱きしめられる腕の中で、ぽそりと口を開いた。
ニトロの匂いがいっぱいに香って、心臓がけたたましく鳴る。
「....あ？」
体越しに、低い声の振動が響くようでなんだかくすぐったい。
「決勝戦、の時も、名前、呼んだよね........どさくさに紛れて。」
「チッ、気付いとったんならはよ言えや。」
「すごい....、ドキッとして、びっくりして....失矢するかと思って焦った。それから言うタイミング無かったのよ。」
「お前はあの場面でミスるような実力じゃねーだろ。
.....まぁあれだろ、弾みだ。」
「.......さっきのも....弾み....？」
「.......弾みでも何でも...ずっと呼びたかったんだよ悪ィか。」
「悪く、ない。.....すごく、嬉しい。」
思いきり頰が緩むのを、隠すように、その厚くてゴツゴツした肩口にぎゅうとくっつけた。
密着する体に、背に回ったこれまたゴツい腕に力が篭る。
「............ねぇ、まだこうしてるの....？ちょっと....恥ずかしくなって来た...んですけど.......。」
「....うっせ、念願叶ってんだから味わせろ。」
「何それやっぱり、恥ずかしい....！そ、外だし....！」
もう人影もほとんど見当たらないとはいえ、誰か通りでもしたら顔から火を噴いて倒れそうだった。
とても渋々、と言った感じで体が離れると、案の定、整った顔のツンツン頭は口を尖らせていた。
「んじゃこっちなら文句ねーだろうが。」
ふっと手のひらに温かさを感じたと思ったら、そのまま体が引かれて歩き出すことになった。
いつのまにか、しっかりと繋がれた手を見つめて歩いた。
「........爆豪くん...こっちも恥ずかしいです....。」
「その意見は聞かねー。こっちだって妥協してんだからな、お前もちったぁ譲歩しろ。」
「うう.....。」
「.........あと爆豪くんやめろや。」
「お断りします。」
「は？ンでだよ、俺は名前で呼ぶだろが。」
「恥ずかしい。無理なものは無理....！」
「お前相変わらず妙なとこで肝据わってんな...。
まぁいずれ呼ばせてやるわ、覚悟しとけや。」
「こわ......！」
そのまま陽も沈み始めた回廊を進みながら、今この瞬間、私たちしか居ないみたいだ、と思った。
そのまま、会話だけが続く。
「..........でもさ、爆豪くん。
私、1年半後には居ないよ。」
自分で言っておいて、俯かずにはいられなかった。
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泉(プロフ) - くじさん» ひーん....！ありがとうございます...！待ってると言って下さって嬉しいです...！ (2019年5月15日 8時) (
レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
くじ(プロフ) - 泉さん» いつまででも待ってるので泉さんのペースで頑張ってください…！！ (2019年5月10日 19時) (レス) id: db6b08d5ff (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - くじさん» 推しカプと言っていただけて最高に嬉しいです^^*うちの子たちが推しと呼んでもらえるなんてなんだかすごい...！活動、一時終了と言って頂けてなんだかほっとしています。。苦笑。またしっかり入れるようになったら書きたいです。 (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - つるぎさん» たくさんの嬉しいお言葉ありがとうございます...！また帰れる場所を作っていただけてとても嬉しいです涙。こんなにも作品をあたたかく愛して頂けて、こちらこそ本当に素敵な読んで下さる方に出会えて感謝です* (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - kazuさん» あたたかいお言葉ありがとうございます....！こちらこそ、素敵な内容で最後に物語を広げて下さってありがとうございました* (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉 | 作成日時：2019年2月20日 16時
