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スト、
矢が何も捉えず、土壁を小さく裂いた音がした。
相手が唇を噛む音が聞こえる。
でも、ほとんどそんな情景も、意識の外だった。
ただ自分の的までの景色が、鮮やかだった。
キリ.....、
スパァァ....！
音を立てて、矢が飛んだ。
これで、最後だ。
スパン............！
『御堂さん外れにより、勝者、結弦さん。
今大会優勝者と致します....！』
アナウンスにわああ、と雄英弓道部の歓声が漏れた。
まだ閉会式でもないのに、どこからともなく拍手が巻き起こったので、今更ハッとして試合が終わったことに気付いた。
そのまま射場から下がり、深く礼をして会場を後にした。
射場から出ると、対戦相手の御堂さんがすっとこちらへ向き直った。
「結弦さん、おめでとう。悔しいけれど..........あなたの射、凄かった。ふふ、突然の応援には驚いたけれど。」
「ありが、とう.......。ごめんなさい、乱してしまったかしら....。」
「舐めないで欲しいわ。あんなもので集中を乱されるような実力では無いつもりよ。
あの応援？野次？のせいだなどと、言ってくる輩が現れたら、私のもとへ連れて来て。私がそんな輩、射殺してくれる。」
にこ、と微笑んではいるものの、意外と物騒な彼女に小さく苦笑が漏れる。
「.........最後の射、特に、凄かった、あれ........離れる前に、中ると、分かっていたでしょう....。
いいえ、その一本前から......。
あなたと今年も対戦する事が出来て良かった。インハイ、頑張って。」
ありがとう、私も、あなたと戦えて良かった。そう言って、差し出された御堂さんの手を握って別れた。
「ふうっ..............、」
終わった。
弓道場を出ると、脇の道に部員が集まっていた。
「ツルちゃん..........っ！優勝、おめでとう.........！！！」
「結弦先輩すごかったッス！！」
「おめでとう！サドンデス緊張でこっちが死ぬかと思った.....！すごかった！！」
おめでとう、おめでとう、とみんなが興奮した様子で口々に祝ってくれるのに、くしゃ、と笑みがこぼれる。
みんなも、見ていてくれてありがとう、と笑うと、まだ興奮冷めやらぬ部員たちがわいわいと口を開く。
きょろ、と見渡しても、ツンツン頭は、そこには居なかった。
いつの間に、1番に報告したい人が、先生ではなくなってしまったのだろう。そう思うと胸がぎゅう、とした。
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泉(プロフ) - くじさん» ひーん....！ありがとうございます...！待ってると言って下さって嬉しいです...！ (2019年5月15日 8時) (
レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
くじ(プロフ) - 泉さん» いつまででも待ってるので泉さんのペースで頑張ってください…！！ (2019年5月10日 19時) (レス) id: db6b08d5ff (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - くじさん» 推しカプと言っていただけて最高に嬉しいです^^*うちの子たちが推しと呼んでもらえるなんてなんだかすごい...！活動、一時終了と言って頂けてなんだかほっとしています。。苦笑。またしっかり入れるようになったら書きたいです。 (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - つるぎさん» たくさんの嬉しいお言葉ありがとうございます...！また帰れる場所を作っていただけてとても嬉しいです涙。こんなにも作品をあたたかく愛して頂けて、こちらこそ本当に素敵な読んで下さる方に出会えて感謝です* (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - kazuさん» あたたかいお言葉ありがとうございます....！こちらこそ、素敵な内容で最後に物語を広げて下さってありがとうございました* (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉 | 作成日時：2019年2月20日 16時
