39 ページ39
.
「...A、
そう声をかけ、かっちゃんは教室を出て行った。
かっちゃんと....、目が合うことはなかった。
一緒に登下校をするようになってから、初めてのことだった。
いつも、私に危険が無いようにと側に居てくれたから...。
俯く私に、切島くんたちが狭間も反省会するだろ、と声をかけてくれる。
私はバッと顔を上げた。
「ごめん！ちょっと今日は帰るね！」
今度は私が側に居る番だ...！
いつも見つめてきたその背中を走って追いかけた。
校舎を出たところで、遠目だったけれどかっちゃんと、そして出久が話しているのを見つけた。
駆け寄る途中でかっちゃんの声が聞こえる。
「こっからだ...！俺はここで1番になってやる...!!!」
涙に濡れた声。
それでも前を向いている、力強い声。
「.......ッッ!!!」
まただ。また、胸がぎゅうっとする。
君の本当の強さを目の当たりにする度、私は君から目が離せなくなる。
どうしようもなく、君のことが...。
自分の思考に疑問をもった。
え...?私今何を思った...？
その時。その横を駆け抜けようとしていた私を、出久が呼び止めた。
「Aちゃん！Aちゃんにも、言わなきゃいけないことが...！」
振り返る。
「出久...きっとそれは、私が聞いていいことじゃ、ないんでしょ？
私は、出久が私たちを騙してたとは、思ってない。
......私は、今の出久を、見てるから。」
うまく笑えただろうか。
困ったような笑顔をどうにか浮かべ、また明日ね、と出久に手を振る。
そうして再び駆け出した。
燈色に染まる、君の背を追いかける。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 792人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
泉(プロフ) - 眠さん» コメントありがとうございます！共感していただけて嬉しいです〜！ (2021年9月29日 21時) (
レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
眠 - 結界師懐かしい！！確かにヒロアカの世界ではその個性最強よなww結構マイナー？っちゃマイナーなアニメだから嬉しい。 (2021年9月29日 19時) (レス) @page12 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます...！結界師知らない方にも「楽しめる」と言ってもらって嬉しかったんですが、知ってる方にもこんな褒めてもらえるなんて感無量です...！ご都合捏造もありますが楽しんでもらえると嬉しいです！いやほんとうっれし、、 (2018年9月24日 1時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - すごい結界師ネタとして作り込まれててすごいなと思いました！そうだよねぇ…滅するチカラなんだよね本来…。てかかっちゃんかっこよすぎません？！ヤバいよぉおお！！むっちゃええわぁあ〜！んだば続編行ってきます！ (2018年9月24日 0時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 藍猫さん» そうです！個性結界師パロなんですが、私の中での設定背景では、数代後の結界師の末裔的な感じです。そんなには代数経ってない感じのイメージですね〜。気付いて面白いと言ってもらえるなんてとても嬉しいです！^^* (2018年6月16日 21時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：泉 | 作成日時：2018年2月16日 13時
