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涙に濡れる声が、ぐすり、と鼻を鳴らす音に変わり始めた頃。実際に発動現場を目の当たりにされたこともあり、Aはぽつぽつと話し始めた。
「...かっちゃんは、私が個性で物や人を囲むところ、今まで見たことなかった...?」
言われてみれば何か対象物をあの結界の中に囲むのを初めて見た。
Aはいつも移動手段ぐらいにしか使っていなかったし、そういうものだと俺も思っていた。
無ぇ。と返事をするとAは「そっか...」と自分のつま先に視線を落とした。
自分の個性は元々結界師という異能者に由来するもので、その能力は妖退治のためのものだったと聞かされた、とAは話した。
「もちろん、囲むことでバリアのような防御壁にもなる。
...反対に、さっきのように対象物を滅することもできる。結界師は指定した空間内に、妖の存在を許さないことで存在を消す。滅する能力。」
Aの顔が次第に曇りはじめる。
「..............私ね、引っ越してくる前は、これが結界術だって知らずに、よく大好きな友達とこの個性で遊んでたの。
大きな結界作って中で遊んだりしてた。
...でもある日、友達の肩に大きな蜂がとまったことがあってね。
助けなきゃ、って思って蜂を囲ったら、無意識に
コントロールが上手くできなくて、囲む位置が少しずれたの...。友達の髪も一緒に囲んでしまって、蜂と一緒に消し飛んでしまった.....。」
ぎゅっと唇を噛む音が聞こえた。
「その子はすごく怯えてしまって、青ざめた顔で言ったの。
何それ、
Aの声がゆらゆらと揺れる。
「お父さんとお母さんとお家に謝りに行ったんだけど、それからその子は私の結界に2度と入らなかったし、口もきかなくなった...。
.....私がすごく怖い思いをさせてしまった。
そりゃそうだよね、消し飛ばされちゃうかもしれないようなところに、入れるわけないよね。
存在を否定して消し飛ばしちゃうなんて、ほんとヴィランの個性だよね。」
ぎゅっと握った両手に涙がいくつも溢れた。
震える手を押し込めるように握っていた。
「っ...それから、人や物は囲めな
びくりとしてAの言葉が切れた。
気がつけば俺はAの頭を抱き寄せていた。
壊さないよう、抱きしめる腕にぎゅっと力をこめる。
「A。俺を結界で囲め。」
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泉(プロフ) - 眠さん» コメントありがとうございます！共感していただけて嬉しいです〜！ (2021年9月29日 21時) (
レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
眠 - 結界師懐かしい！！確かにヒロアカの世界ではその個性最強よなww結構マイナー？っちゃマイナーなアニメだから嬉しい。 (2021年9月29日 19時) (レス) @page12 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます...！結界師知らない方にも「楽しめる」と言ってもらって嬉しかったんですが、知ってる方にもこんな褒めてもらえるなんて感無量です...！ご都合捏造もありますが楽しんでもらえると嬉しいです！いやほんとうっれし、、 (2018年9月24日 1時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - すごい結界師ネタとして作り込まれててすごいなと思いました！そうだよねぇ…滅するチカラなんだよね本来…。てかかっちゃんかっこよすぎません？！ヤバいよぉおお！！むっちゃええわぁあ〜！んだば続編行ってきます！ (2018年9月24日 0時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 藍猫さん» そうです！個性結界師パロなんですが、私の中での設定背景では、数代後の結界師の末裔的な感じです。そんなには代数経ってない感じのイメージですね〜。気付いて面白いと言ってもらえるなんてとても嬉しいです！^^* (2018年6月16日 21時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉 | 作成日時：2018年2月16日 13時
