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運命 ページ23

午前の仕事が終わり、バックヤードでは店員たちがお昼ご飯を思い思いの場所で食べていた。

国木田さんの来訪もあって、いつもよりもうきうきした気分でお弁当を広げていると

「ご機嫌だけど、なにかあったの?」

と藤井さんが柔らかな笑顔を向けてとなりに座った。
彼の手にも紺色のお弁当箱がある。

独身の藤井さんは毎朝自分で作っているそうだ。
女子力の高さが羨ましいかぎりだ。

「もしかして、昼間きてたあの男のお客さんかい?」

また顔に出ていたのかと頬張っていたおにぎりを吹き出しそうになる。

顔が熱くなるのを感じながらむせていると藤井さんは、大丈夫かいとお茶を差し出してくれた。
爽やかな紅茶の香りでいくらか気持ちが落ち着く。

「そんなに出てます?」

「そりゃあねぇ。今日だってあのお客さんが来たら真っ先にご案内に行ってたしね。」

微笑ましいといわんばかりの藤井さんの表情に気恥ずかしさとともに安心感を覚える。
母子家庭で育った私にとって、藤井さんはお父さんのような人だ。
高校の頃から雇ってくださって、いろんな相談にものってくれた藤井さん。

そんな藤井さんだからこそ私の表情もよくわかるのだろう。

「いやぁ高校のころは生活費が〜とか、勉強が〜とかで全然青春してなかったものねぇ。
とうとう花宮ちゃんにも春が来たんだねぇ。」

「春って!そんなんじゃないですって!」

「今のうちに楽しみなさいねぇ〜それにしても花宮ちゃんのタイプは年上の人なのかぁ」

「私の話聞いてました!?」

愉快そうにからからと笑う藤井さんにつられて、私も思わず笑ってしまう。

こういう恋バナ好きなとことかお弁当自分で作るところとか藤井さんはなんだか私よりも女の子っぽい。男の人だけど。

それからも藤井さんとの楽しいランチを楽しんでいると、藤井さんの携帯が鳴った。

「あっ、ごめんね花宮ちゃん。ちょっと行ってくるね。」

「はーい」

こういう電話のとき藤井さんは決まって難しい顔をする。
仕事の電話だそうだ。
おおかた、茶葉の仕入れとかの電話なのだろう。

いつもと違う鋭い眼差しにキリッとした口もと。

女の子みたいだけど、お店のために頑張るかっこいい藤井さんを見てると、本当に頼れる営業者だとつくづく思うのだ。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 国木田独歩   
作品ジャンル:恋愛
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うたプリ大好き?(プロフ) - 更新楽しみにしています! (2020年2月8日 1時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
朝霞(プロフ) - うたプリ大好き?さん» すみません……作者の怠惰です……3月になったらぼちぼち更新できると思いますので、しばしお待ちください…… (2020年2月8日 0時) (レス) id: 4b1c679789 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2020年2月7日 19時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
朝霞(プロフ) - 闇川幽鬼さん» 初めまして、コメントありがとうございます。近頃なかなか更新ができておらず、申し訳ないです。頑張って完結させたいと思いますので、2人の運命の行く末を見守ってやってください。 (2019年6月24日 20時) (レス) id: 4b1c679789 (このIDを非表示/違反報告)
朝霞(プロフ) - 黒バイさん» ありがとうございます。亀更新っていうかもうカタツムリ更新なこの作品ですが、完結したらラッキーぐらいの軽い気持ちで応援よろしくお願いします。 (2019年6月24日 20時) (レス) id: 4b1c679789 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朝霞 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年2月13日 1時

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