運命の恋？【文豪ストレイドッグス】

運命 ページ21

アラームに叩き起こされることのない、穏やかな朝だった。

あの後、泣き疲れてそのまま寝てしまったらしい私は最悪なことに、私服のままメイクも落とさずお風呂にも入らずにいた。

寝起きはバッチリだったが、少し気分が悪い。
まずは、お風呂に入ろう。

そう思って今の時間を確認すると、いつもより早く寝たからか、いつも起きる時間よりかなり早かった。
ゆったり入浴タイムを楽しめそうだ。





.





「ふぃ〜」

清々しい気持ちで大きく息をつくと、ふとちゃぶ台の上の小さな紙に気づいた。

そこには達筆で几帳面そうな文字で、

『冷蔵庫の中に惣菜を作って入れてある。
しっかり食べるように。
国木田』

とあった。
彼のお母さんスキルの高さに驚きつつ、優しさが胸に染みて暖かかった。

気になって冷蔵庫を開けると、タッパーに詰められたお惣菜たちがあった。

どれもとても美味しそうだった。


緩む口元をそのままに、その書き置きを手に取った。

とても綺麗な字だ。
彼の性格がそのまま文字に現れているようだとも思った。

恍惚としてその紙を眺めていると、後ろに何かが書いてあるのか透けて見えた。

裏返すして見てみるとそこにはある連絡先が書かれていた。


『俺の電話番号だ。
何かあったらすぐにかけて良い。』


その添えられた一見ぶっきらぼうにも見えるその一文に、国木田さんの優しさを最大限に感じて思わず紙を指先で撫でた。




今日は、良い朝だ。

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