理想 ページ19
「………………！？」
泣くだけ泣いた彼女は気がつくともう眠りについていた。
よほど疲れていたのだろう。
当たり前だ、高校を出たばかりの娘が頼る背もなく、ひとりで全てをこなそうとしたのだから。
喫茶で働いている姿を見るともう立派な社会人に見えるが、寝顔はおそろしく平和で弱々しい。
……………ひとの泣き顔は、嫌いだ。
漠然とそう思った。
平穏が崩れ去るとき、涙と血が必ず流れる。
それは、俺の理想に反するから嫌いだ。
だから、なのだろうか。
彼女が俺を頼ってくれたことに、探偵社員としての誇りを感じざるを得なかった。
Aの頼る背が、俺だったのならそれはきっと誇れることなのだ。
……だが自分に寄りかかるような体勢に、対処法を知らない俺はふためいた。
……とりあえず布団まで運んでやりたいが、これは、大丈夫なのだろうか……倫理的に。
あまり動かすと起こしてしまうだろうか。だが、この状態のままじゃなおさら善くない。
逡巡する数々の憂いに苦しめられながらも、俺は彼女を布団まで連れる決心をした。
したところまでは、良かったのだが。
「どうしたら、良いのだ………？」
とりあえず、畳に寝かせてから、布団を敷こう。
それから彼女を布団まで運ぼう。
その華奢な肩を支えるように抜け出して、優しく畳に横にした。
押入れから布団たちを引っ張り出して部屋の隅に敷く。
性格上、気になってしまう皺を丁寧に伸ばしたらAの方へ向かう。
これは………普通に横抱きで善いのか？
ややどもってから、Aの身体と畳の間に手を滑らせた。
起こさないように、ゆっくり慎重に身体を持ち上げる。
軽いな………
やはり食費が厳しいのだろうか。
慣れないうちの一人暮らしなんて、食費が苦しいのは別段珍しくもないが、あまり食べないと健康に良くない。
あとで冷蔵庫を覗かせてもらおうと思った。
彼女の顔を覗き込むと……良かった。ぐっすり眠っている。
そして何事もなく布団へ…………と言うところに
「国木田くーん。帰りが遅いので、見にきたよー……………って
…………………ごめんお邪魔したね。」
包帯無駄使い装置があらぬ勘違いをしていった。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 更新楽しみにしています！ (2020年2月8日 1時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
朝霞(プロフ) - うたプリ大好き?さん» すみません……作者の怠惰です……３月になったらぼちぼち更新できると思いますので、しばしお待ちください…… (2020年2月8日 0時) (レス) id: 4b1c679789 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2020年2月7日 19時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
朝霞(プロフ) - 闇川幽鬼さん» 初めまして、コメントありがとうございます。近頃なかなか更新ができておらず、申し訳ないです。頑張って完結させたいと思いますので、2人の運命の行く末を見守ってやってください。 (2019年6月24日 20時) (レス) id: 4b1c679789 (このIDを非表示/違反報告)
朝霞(プロフ) - 黒バイさん» ありがとうございます。亀更新っていうかもうカタツムリ更新なこの作品ですが、完結したらラッキーぐらいの軽い気持ちで応援よろしくお願いします。 (2019年6月24日 20時) (レス) id: 4b1c679789 (このIDを非表示/違反報告)
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