story*19 ページ21
‐前原side‐
Aは沢に立っていて涙を流していた。
その姿は泣いているのに綺麗だった。
「落ちこぼれ…彼女なんていない……か…そうだよね…学秀くんに私はもう釣り合わないんだよね……ッ」
俺達は顔を見合わせた。
どうすればいい？
どうすれば、Aは笑顔になってくれる？
きっと俺はAのそんな姿に惹かれてたんだ。
どれだけ雑用を頼まれてても、どれだけ酷いことを言われてもいつも笑っている、その懸命さに惹かれてたんだ。
それなのに浅野はそれに気付いてなかった。
Aがどれだけ頑張ってたか。
Aがどれだけ寂しかったか。
Aがどれだけ泣いていたか。
そんな事に気付いてなかったんだ。
だからこそ浅野に譲りたくない。
すると皆がいつの間にか来ていて、Aを見るなり特に倉橋は口元を押さえて、驚いていた。
それもそうだ。
いつもあんな笑顔で笑ってるAがこんなにも泣いてるんだから。
「ごめんね…ッ。ごめんね…ッ！落ちこぼれで……嫌われて当然だよね…ッ！
分かってる…分かってるよッ！……分かってる、けど…辛い……よ……」
ザパァッと音を立ててAは膝をついた。
制服がぬれるのにも気にしないで。
倉橋「Aちゃん………」
なんでそんなに泣かされてるのに、浅野を見るんだよ……
そんなのAが傷付くだけじゃねーかよ。
もう止めろよ。
前原「A！」
声をかければAはバッと振り返り、一瞬固まって俺から顔を逸らして涙を拭いていた。
また俺を見た時のAの顔は無理に笑ってる顔だった。
「ま、前原くん……どうしたの？」
前原「お前こそ何してたんだよ。授業始まってんぞ？」
「授業…？あ！そうだったね！」
俺はその顔に気付かないフリをしてAに言った。
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木戸藍楽(プロフ) - エスカさん» コメントありがとうございます！中学受験ですか…大変ですね…落ちないよう頑張ってください！はい、切ない系です……お兄ちゃん羨ましいです…こちらこそよろしくお願いします (2016年2月11日 23時) (
レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
エスカ - こんにちは。エスカです。やっっっっっと中学試験の勉強から離れられました。今カフェオレ飲みながらこれ読んでいます。これで気を抜いて中学試験落ちなきゃいいけど。これすごい切ない系で泣いてたら超過保護お兄ちゃんに質問攻めにされました。よろしくです。 (2016年2月7日 15時) (レス) id: 2392d06918 (このIDを非表示/違反報告)
リラン＠レイ(プロフ) - 木戸 藍楽さん» ほ、本当ですか？！笑 こんな亀更新の作者を登録してくださるなんて…恐縮です汗 私もお気に入り登録させていただきましたので…(結構前から)お互い頑張りましょうね！ (2015年6月14日 12時) (レス) id: a23b730333 (このIDを非表示/違反報告)
木戸 藍楽(プロフ) - ♪護♪さん» いえ！護さんの作る作品はキュンキュンします！ありがとうございます！近藤さんはカゲプロのアヤノちゃんをイメージしました！頑張ります！ (2015年6月14日 0時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
♪護♪(プロフ) - 先日はリクありがとうございました！初っ端から涙やばし。木戸さんの作る話ホント素敵！そして夢主も素敵友達になりたい（笑）これからも頑張ってくださいね！！ (2015年6月14日 0時) (レス) id: fa4c70adc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木戸藍楽
| 作成日時：2015年6月9日 0時
