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「こんなに近いなんて知らなかったな」
電車を降りて最寄りから家までの帰り道、すっかり暗くなった帰路を時間など関係なく毎秒照り輝くイケメンと辿る。心做しかいつもより明るい気がする。
ハンビンくんほどのイケメンになると自然の摂理にも逆らえるんだなあと馬鹿みたいに現実逃避しなければ、ちょっと……終わる。色々。
私の顔が死んでいく一方で、ハンビンくんは近所ではあるものの見慣れない街並みに心做しかウキウキしているようだった。
私はいつも通りの帰り道なので特に気にしたこともなかったけど、国道沿いのパン屋さんがおいしそうだとか、親しい友達の家がここから近いとか、色々話題に尽きないらしい。
さっきはあんなに仲良くするのはここまで、とか思ってたのに。あんまりにも楽しそうに話すハンビンくんに、自然と心は解けて行った。
「中学の頃、写生の時間にこの辺に来たことがある気がする」
「ほんと？私もこの辺で描いたよ。そっちの通りに桜並木があって……」
「あ、そう！俺も桜並木描いた！」
「うそ！そっちの中学でも描くんだ」
意外な共通点があるもんだ。
すごい偶然だねと笑うと、その時初めて描いた絵が入選したんだ。と彼は誇らしげに言った。
「すごい、ハンビンくんってできないことあるの？」
「あるよ、絵だって下手なんだ。その時の絵以外は全然だめだった。」
初めてたくさん褒めてもらった絵だと、だからこそ今でもあの桜並木は鮮明に覚えているんだと言う彼に、素直に素敵だねと言う。それを聞いた彼は照れたように笑った。
「その絵の写真とかないの？見てみたいかも」
写真かあと言ってポケットからスマホを取りだしカメラロールを見るハンビンくん。
何回かスクロールしてすぐお目当ての画像を見つけた様子の彼に、あんまり写真撮らない方なのかなとか、男の子ってそういうものかなとかおかしな考察ばかり捗る。
一方写真を見つけた彼はと言うと、うーんと呻くとスマホをそのままポケットにしまってしまった。
「写真で見たら、微妙だった。」
「えー見してくれないのか……残念」
彼が世紀の大作のように語るので、ちょっと見てみたかったんだけど。本人が嫌というなら無理強いは出来まいと素直に引下がる。でも、やっぱり残念だなと思っていると、ハンビンくんはとんでもないことを言い出した。
「……良かったら、直接見に来る？」
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ronri - すごく読みやすくてこの作品めちゃくちゃお気に入りです、次の更新楽しみにしてます！ (5月19日 13時) (
レス) @page20 id: bd73064382 (このIDを非表示/違反報告)
しもあさ(プロフ) - サラダ油さん» コメントありがとうございます！思いついたままの書きなぐり小説ですが楽しんでいただけて嬉しいです(*^^*)更新頑張ります！ (2023年4月5日 19時) (レス) id: 694814ed96 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油(プロフ) - 最後誰と結ばれるのか凄く気になります！学パロ大好きなので嬉しいです！更新待ってます(*´`*) (2023年4月5日 13時) (レス) id: 5ecae127c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しもあさ | 作成日時：2023年4月4日 0時
