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「時間もないし、早速始めよう」
早く帰りジャージを脱ぎたいという本音をひた隠しにし、頷いたソンハンビンくんに物置に置いてあった軍手とスコップを渡す。
「ソンハンビンくん、このへんスコップで根っこから掘り返してくれる？」
「……」
「？ソンハンビンくん？」
いざ取り掛かろうとすると、スコップを受け取ったはいいがこちらをじっと見つめる彼に首を傾げる。
私なんかしちゃったかな、と思いつつもう一度声をかけると、彼は口を開いた。
「ハンビンって呼んでみて」
「え」
「これから長くなる付き合いだろうし、仲良くなりたいな。Aちゃんってよんでもいい？」
こちらの様子を伺う彼に変な手汗が出てくる。
ただでさえ同じ空間に存在しているだけで罪なのに……？これ以上私になにを、、。
「……私の呼び方はなんでもいいけど、そっちの呼び方は、ちょっと」
「どうして？嫌？」
「い、嫌とかそういうのではなく……」
まだ死にたくない。とは言えないのでしどろもどろのまま言い訳を考える。
うんうん唸る私を見たソンハンビンくんは、何を思ったのか私の両手をぎゅうと包んだ。
「な、なぜ！？」
「呼んでくれないから。呼んでくれないとずっとこのままだよ？作業できなくて困っちゃうでしょ」
にんまりとしてやった顔をしているソンハンビンくんだが、困るのは全然作業できないからではない。私の心臓が爆発しそうなのが困るのである。
握った手を離さないままこちらの目を見つめてくる彼から目が離せない。
時限爆弾よろしくドッドッと音を立てて鳴る心臓からも、顔に集まる熱からも逃げきれず、ついに降参してしまった。
「……はんびん、くん」
「うん、Aちゃん」
すごく優しい声で名前を呼ばれて、耳が溶けそう。これが令和男子のモテる必勝テクなの、、？信じられないほどの手汗をかいていたためなんとか手を離してもらったが、この男えげつなさすぎる。
「反則技すぎる……」
「勝ったもん勝ちなんだよ、Aちゃん」
クスクスと笑う彼は私の反応を楽しんでる節があると思う。
雑草をブチブチと引き抜きながら、これで終わんなかったらハンビンくんのせいだから。と言うと責任持つよ。と返ってきて、このイケメンにはいよいよ勝てないと思った。
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ronri - すごく読みやすくてこの作品めちゃくちゃお気に入りです、次の更新楽しみにしてます！ (5月19日 13時) (
レス) @page20 id: bd73064382 (このIDを非表示/違反報告)
しもあさ(プロフ) - サラダ油さん» コメントありがとうございます！思いついたままの書きなぐり小説ですが楽しんでいただけて嬉しいです(*^^*)更新頑張ります！ (2023年4月5日 19時) (レス) id: 694814ed96 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油(プロフ) - 最後誰と結ばれるのか凄く気になります！学パロ大好きなので嬉しいです！更新待ってます(*´`*) (2023年4月5日 13時) (レス) id: 5ecae127c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しもあさ | 作成日時：2023年4月4日 0時
