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生徒会室での会議が終わり、他メンバーが部活動などに向かう中、1人資料作成の作業をする。
自分がしたいと言って推し進めてきた活動なので、生徒会役員たちの手伝うというというありがたい申し出を断った。皆忙しいのに、時間を分けてもらう訳にはいかない。
会長であるハオヒョンには詰めすぎるなと声をかけられたけど、Aちゃんがあんなにやる気になってくれてるんだ、俺もやらなくちゃ。

今日の会議でそれなりに話は進んだので、来月には本格的な活動が始められるだろう。
Aちゃんに連絡しようとして、連絡先を知らないことに気づく。まあ次会った時に言えばいいか。

作業を1度止め、スマホを探した手で自分のデスクマットの下に入っている写真をなぞった。
この写真は、いつからここにあるかわからない。何年前に撮ったのかも知らない、日焼けして少しくすんだこの1枚には、ちょうど生徒会室の真下、俺と彼女が話したあの花壇が写ってる。

今では姿を見れないが、この写真の中では可愛らしい花で溢れた花壇を俺は純粋に素敵だと思ってしまった。
いつかこの写真のように溢れるほどの花で埋め尽くされた姿を見れたら、幸せだと思う。

たったそれだけの小さな夢を原動力にここまで来てしまったと言ったら笑うだろうか。
少なくとも、Aちゃんなら。
「素敵だね」の言葉と、笑顔を思い出して胸が暖かくなる。昨日彼女と話してから、自分は何かおかしくなってしまった。

別に1人残って作業するのは初めての事じゃないのに、Aちゃんがチラついて落ち着かない。今日も本当にひとりで作業しているのかな。席を立ち上がり生徒会室の奥の窓から外を見ると、あの写真と同じアングルで花壇が見れる。そこには小さな体で一生懸命動くAちゃんがいた。

あの小さな手では重いだろうスコップを一心に動かし作業する姿に、素直に可愛らしいなと思った。
真面目で優しい子だというのは昨日話してみて分かったが、それだけの言葉では現せないあたたかな何かを確実に彼女は持っていた。

仕事を忘れぼうっと彼女を見ていると、ジャージのサイズが明らかに合っていないのがわかる。昨日ユジンに貸してもらったジャージを着てた時もそうだったけど、まさか今日も?と余計な勘繰りをしてしまった。

もしかして、ユジンと知り合いだったとか?

「……、作業しなきゃ」

心のどこかから湧き出てくるモヤモヤとした感情に名をつけるのはまだ早いと、見て見ぬふりをした。

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ronri - すごく読みやすくてこの作品めちゃくちゃお気に入りです、次の更新楽しみにしてます! (5月19日 13時) (レス) @page20 id: bd73064382 (このIDを非表示/違反報告)
しもあさ(プロフ) - サラダ油さん» コメントありがとうございます!思いついたままの書きなぐり小説ですが楽しんでいただけて嬉しいです(*^^*)更新頑張ります! (2023年4月5日 19時) (レス) id: 694814ed96 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油(プロフ) - 最後誰と結ばれるのか凄く気になります!学パロ大好きなので嬉しいです!更新待ってます(*´`*) (2023年4月5日 13時) (レス) id: 5ecae127c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しもあさ | 作成日時:2023年4月4日 0時

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