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「ここにAさんっている？キム・Aさん。」
放課後。
廊下から響くその声に、帰り支度をしていたクラス中がザワつく。
特に女子生徒は彼の突然の訪問に驚き席を立ち上がったり、声を上げたりと反応が凄まじい。
それもそのはず、だってその声は2学年首席にして学校のアイドル、生徒会役員のソン・ハンビンくんのものだったから。
1度もクラスは同じになったことないし、顔をチラ見したのだって数えるくらいしかない。
今や他校にまでその名を轟かせてるほど人気で、学校が同じだってだけで自慢になるほどの有名人。
目に刻んでおかなきゃ、そうやってソンハンビンくんのことをガン見してると、一緒にいた友達から肩を強く叩かれた。
「キム・A！アンタ呼ばれてるよ！」
「え！？私！？！？」
私と友人の声に気づいたソンハンビンくんは、私に笑顔で手招きをする。
クラスメイトたちも学校のアイドルが私になんの用だ？と興味津々で、視線が痛い。
既に精神への負荷がキャパオーバーだったが、無視する訳にもいかず恐る恐る廊下に出ると、ソンハンビンくんは眩しい程の笑顔で「ありがとう！」と言った。え？
「え？なにが…？」
「本当に困ってたんだ。先生から見つかったって聞いて、飛んできちゃった。早く行こうか！」
相当感情がプラス方向に昂った様子のソンハンビンくんは私の声も聞こえていないようで、私の手をガシッと握ると廊下をズンズン突き進み出す。
当の私は一瞬何が起きているのか分からなくされるがままだったが、握られた手を見たクラスメイトの悲鳴で意識を取り戻し、慌ててソンハンビン君に声をかけた。
「待って待ってソンハンビンくん！みんな見てるし！ちょ、ちょっと止まって！」
「ずっと探してたんだ、Aさんが引き受けてくれて本当に嬉しい」
私の声が周りの声にかき消されたのか、そして私は一体何を引き受けてしまったのか。何も分からない。私の声は届かない。一人上機嫌のソンハンビンくんに連行される今にも泣き出しそうな女子生徒の噂は、しばらく学校で持ち切りとなった。
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ronri - すごく読みやすくてこの作品めちゃくちゃお気に入りです、次の更新楽しみにしてます！ (5月19日 13時) (
レス) @page20 id: bd73064382 (このIDを非表示/違反報告)
しもあさ(プロフ) - サラダ油さん» コメントありがとうございます！思いついたままの書きなぐり小説ですが楽しんでいただけて嬉しいです(*^^*)更新頑張ります！ (2023年4月5日 19時) (レス) id: 694814ed96 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油(プロフ) - 最後誰と結ばれるのか凄く気になります！学パロ大好きなので嬉しいです！更新待ってます(*´`*) (2023年4月5日 13時) (レス) id: 5ecae127c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しもあさ | 作成日時：2023年4月4日 0時
