君を守りたいから Ⅰ【斉藤壮馬】 (ページ39)

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ーTime of a beautiful No.13ーページ39

「わははは～」

今の僕は意識が朦朧としている。

「飲み過ぎですよ！サイトーさん！」

「今日はいいのだよ！こーちゃん！」

調子に乗って少々飲み過ぎました。

一緒にいるのは西山くんと江口拓也さん。

「久しぶりにこんな斉藤さんを見た気がする」

なんとなく、西山くんの声が聞こえてくる。

「同じく。嬉しいことでもあったんじゃない？」

江口さんの声。

「イエスだよ！江口先輩よっ！」

「へぇ～！何があったの？」

「それ聞いちゃいますぅ～～？」

「聞いちゃいます～！」

机には空のコップたちが並んでいる。

「いやぁ～、遊びに行くでございますよ」

「……？それだけ？」

ただの遊びではないか。

江口さんはわかってない。が、西山くんはなんとなくで理解したようだ。

「あぁ～……なんとなくですけど。わかった気がします」

「え、なになに？俺の立ち入り禁止領域！？」

「話していいんですか？」

と、確認してくる西山くん。

「どぼーーん！どぞーー」

謎の発言。

西山くんは特にそれを気にせず、江口さんに話す。

「少し前に、斉藤さん好きな人が出来たんですよ」

「うぉ！？マジか！あ、その子と遊びに行くのね！」

「イエスだよ、江口先輩よ」

(……あれ？)

その瞬間、僕の酔いは覚めた。

「こうちゃん、今なんて言った？」

「え？好きな人が出来たって言いましたけど」

(好きな人……？)

「あれ？違うんですか？」

驚く西山くん。

「いや、えーと……わかんない」

「なんじゃそりゃ」

突っ込む江口さん。

(わかんない…わかんないよ。でも……否定できないってことは…？)