君を守りたいから Ⅰ【斉藤壮馬】 (ページ4)

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ーTime of a dream No.3ーページ4

辛い時、励ましてくれたのは壮馬くんの声だった。

テレビをつけた時、ふと聞いた声に全てが変わった気がした。

そんな壮馬くんが、憧れで愛しの壮馬くんが目の前にいる。

「こんにちは^ ^」

自分１人に声をかけてくれている。

紅潮する頬を隠そうと必死に下を向く。

「こ、こんにちはっ」

潤む目。

泣くのをこらえていると、壮馬くんが手を差し伸べた。

私は緊張しながら、その手をゆっくりと握り顔をあげる。

と、その時だった。

「あれ？いつもイベントに来てくれる子だよね？」

予想外の言葉に思わず口が開く。

「はい！？」

(なぜ、知ってるんダァーーーー！？)

「え、…あっ、えぇ！？」

焦って思わず口をパクパクさせる私。

「よく前の方にいるから覚えちゃった？って感じかな」

照れ臭そうに笑う壮馬くん。

「え！……あ、ありがとうございますっ！」

「高校生？」

「そ、そうですっ！２年です！」

「そーなんだ！いつもありがとうね^ ^」

「こっちのセリフです！」

体温が上がるのを感じながら、壮馬くんを見る。

笑顔を向ける壮馬くん。

可愛くてかっこいい。

私も笑顔で応える。

「はい、次の方～」

スタッフの声が聞こえて、私は仕方なく壮馬くんの手を離そうとする。

「……あ、あの……？壮馬さん？」

力強く握られた手。

壮馬くんは一向に私の手を離そうとしない。

「壮馬さん？」

「えっ！？あ、っごめん！！」

パッと手を離す。

私は改めて壮馬くんに頭をさげると、会場を後にした。