チート少女は夢を見る

ごめんなさい　2 ページ9

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帰ってから何時間経っただろうか。夢中になって打っている内に、再生が少しずつ遅くなっていく。


血飛沫で袴が真っ赤に染まる頃、オレンジ色の光が山の向こうから差し込んできた。


そのまま、私の両親の仇は声も上げずに塵と化した。まあ、滅多打ちにしてもう口もないんだから当たり前っちゃ当たり前なんだけど。


そして、着物や膝が更に汚れるのも構わずに血溜まりの側に膝をついた。



何故、私がいないときに限ってこうなった？

自分の愚かさを呪う。


何が「救済」だ、何が「守る」だ。

自分の家族すら守れなかったのに。




嗚呼、どうして。

その言葉を脳内でただひたすらに連呼しながら、朝陽の登ってきた空を見上げる。

オレンジ色の、皮肉なほどに綺麗な朝陽。

私の「どうして」も、家族も吸収しそうな陽。

頭の中の「どうして」は鳴り止まない。

そして、ふっと結論に至る。


(嗚呼、私が弱かったからだ)

強くなろう。

世の中の「理不尽」を吹っ飛ばせるくらいに。

誰にも、文句は言わせない。


(神様からチート貰ったんだったら、
とことん最強やろうじゃねえの)

もう開き直った。

次に神に会ったら、チートのお礼と運命の理不尽に対するパンチを一発お見舞いしよう。

唇の端に笑みを浮かべるA。

その笑みは何処か不気味かつニヒルで、

その年の幼子がするにしてはだいぶ歪んだ笑みだった。

彼女がそれに気付くのは、いったいいつになるのだろうか。

今日分かったこと;強くなればいい
　 神様は次会ったらパンチをお見舞いする

う〜ん……育手って何処にいるの？→←ごめんなさい

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