79 ページ33
光side
傷はそんなに深くなくて
縫うほどでもないから消毒をして
ガーゼを貼ってテープで止めてネットをつけた。
いつもなら消毒なんてしたら
大泣きのAが暴れることもなければ
大泣きするわけでもなくて
部屋に入った時と変わらない、、静かに泣いていた。
本当になにかあったんだってわかって。
俺はそっと抱き上げて抱いたまま
ベッドに座った。
光「A？なにかあったんだよね、、、？
ひとりでお留守番したときなにかあった？」
A「まま、、、、」
光「うん、ゆっくりでいいからママに教えて？」
A「初めて、、、、初めて、、、、お留守番した時に
ママが、、、本当の、、、ママがね、、、
来たの、、、ピンポーンってなって、、、、
モニターで、、、返事したら、、、
ママが、、、、、」
震え始めたAを強く抱き締めながら
背中をさすって落ち着くようにした。
怖くて怖くて仕方ないみたいで。
出会った時と同じ顔をしていて。
また元に戻ってしまいそうな。
光「そかそか。怖かったね。
ごめんね、気づいてあげれなかったね。」
A「出れなくて、、、怖くて、、、
そしたら、、、、帰って行ったんだけど、、、
手紙が入ってて、、、ママからで、、、、
A、、、、ここから出てかないと、、、」
光「何言ってるの？出てくなんて許さないよ？
出てかなくていいから。ね？」
A「うん、、、、、」
光「大丈夫だからね。」
強く抱きしめ続けて背中をトントンとしてたら
眠ったA。そっとベッドへ寝かせると
そのまま起きることも無く寝てしまった。
とりあえず一人で寝かせて
リビングに戻って薮を起こして薮にも話した。
1時間おきくらいに部屋を見に行って様子を見てるけど
起きる気配もなく、、おやつの時間。
そろそろ起きるかなって思いながら
とりあえず洗濯物を取り込んでいた。
薮もお昼ご飯後でまた昼寝をしていて。
この一瞬だった。
取り込み終わってAの部屋へ様子を見に行くと
もぬけの殻で。
急いでリビングへ向かった。
光「薮！！起きて！！Aが居ない！！」
宏太「は？俺探してくるから
光は家にいろ！！帰ってくるかもしれないから！
みんなにも連絡して！！」
それから薮は家を飛び出して
探しに行ってくれてた。
俺はグループLINEで連絡をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜音 | 作成日時：2024年2月21日 2時
