俺の愛しの人 (ページ3)

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きょもをベッドに寝かせ、体温計と冷やすものを取りに行こうと立ち上がると

大「やっ、じゅり、行かないで」

ときょもに腕を掴まれた。

「すぐに戻ってくるから」

と言っても、また大粒の涙を流しながら腕を離してくれないきょも。

『…手も熱いな…』

これ以上熱が上がったらヤバイ…と思い、
落ち着くまできょもの傍にいることにした。

大「うぅ…な、んで今日、なの…？
おれ…い、つも、気をつけてる、のにぃ…」

「うん、きょもが喉を大事にしてる事は知ってるよ。
俺と休み合わせるために仕事頑張り過ぎてちょっと疲れが出ちゃったのかもね」

大「今日、は…じゅりに、ご飯、つくってあげよう、って思って、おれ、りょう、り、頑張ってたのにぃっ！
うぇ〜んっ」

子供のように泣き出したきょも。

「きょも！熱あがっちゃうからっ！ちょっと落ち着こう？」

きょもの目から溢れて止まらない涙を拭いながら、
優しく頭を撫で続ける。

しばらくすると…泣き続けて体力を消耗したのか、
きょもの寝息が聞こえ始めた。

『よしっ、今のうちに…』

きょもが寝たことを確認してから必要な物を取りに行き、額に滲んでいる汗をタオルで拭った後、
可愛いおでこに冷えピタを貼ってきょもの脇に体温計を差し込む。

なかなか鳴らない体温計が
きょもの熱が高いことを予感させる。

体温計が鳴り、脇からそっと引き抜くと…
予感どおり高めの数字が表示されていた。

『…やっぱ高いな…』

とにかく高い熱をなんとかしてあげたい。

『…そういえば…
きょもっていつも薬持ち歩いてなかったっけ？』

リビングのソファーの上に置いたままになっていた
きょもの鞄を開けると、

病院で処方された薬の袋が数袋入っていた。

『解熱剤あるじゃん！』

よく見ると、処方された日付が今日になっている。

『さすがきょも、
ここに来る前にちゃんと病院行ってきたんだ』

きょものプロ意識の高さに感心しながら

解熱剤の入った袋と水を持って、愛しの人が眠る寝室へ向かった。