風邪。「橙」 ページ10
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Aねつでた、◯◯病院に迎えきて
早朝の休日に鳴ったLINEは、Aからやった。
珍し。がLINEを見た俺の感想。
多分、マネージャーと間違えたんやな〜って思いながら、俺はAがいる病院に向かった。
『…だる』
「A？」
『…ごめんなさい、今風邪ひいとって』
「なに？サインくれんの？笑」
『…え、たいせ、』
「会計終わった？」
めっちゃびっくりしてる顔。
『な、なな、な』
「これ番号やんな、会計してくるわ」
『あ、ちょっ財布、ｺﾞﾎ』
咳き込むAを放ってはおけず、背中をさする。
「大丈夫？」
『ｺﾞﾎｺﾞﾎ、ありが、うつる』
「お茶飲む？」
『かえれよ』
「ほら」
言葉とは裏腹に、かなり弱っているのか、俺に少し寄っかかるAに嬉しくなる。
『……なんで』
いつもは車の助手席に乗るのに、後部座席に乗って寝とる。
「んー？」
『なんで知っとるん、病院』
「LINEきた」
『え！うそ！』
やっぱ気づいてなかったんか。
「ほら、熱あるんやから、寝とき」
『…………ここ、住所』
「え？実家やないん？」
一度も来たことがなかったA宅の住所を渡され、到着。
『じゃ、ありがと』
「部屋まで送るわ」
『はぁ？』
「はいはい、送るから」
渋々、嫌そうにオートロックを開けるA。
「わ〜ここか、A家〜」
『……。』
「A？」
『寝る』
少し調子乗りすぎたかなと反省して、冷蔵庫を拝借。
「…自炊しとる……お粥作ろうかな」
生活感がない空間、ほとんど寝に帰ってる暮らし。
L字のソファとちょろっと観葉植物、クッション。
テーブルには書き殴られた、仕事の資料の山がある程度と気になるダンボールの山。
ん、1つ空いとる。
『大晴』
「あ、起きた？」
『まだおったんっていい匂い』
「卵粥食べれる？」
『たべる』
「あーんしたる？」
『……おいしい』
そのまま無視してお粥を食べるA。
「よかった、Aさ」
『ん？』
「グッズ、ダンボールに沢山あるんやな」
『え』
「ふふ、集めてるん？」
『…内緒にして』
Aがグッズ集めてるん、意外、可愛い。
『なぁ、これ作ってん』
「器用やん、どうなってんのこれ」
『ここ、手伝え』
たまに装飾を手伝わされるようになった。
ちなみに関西のグループのグッズのみ買ってるらしい。
割と年が近い大晴とは友だちな感じの距離感、幼馴染ペア。
ドライブにもよく行くみたい。
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作者名：みみ | 作成日時：2023年10月26日 0時
