ダンスパート。「黄」 ページ11
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ライブ演出で、2人でペアになってダンスすることになった。
俺は、Aと最初と最後のペア。
Aは違う人とも、ペアになって踊るらしく、また俺のとこに戻ってくる演出らしい。
『あーー難！』
練習から投げやりになってるA。
めずらしく最後の部分だけ、レッスンに来れんかったからか、悩んどる。
「ほれ、もう一回すんで」
『…休憩させてくれ！』
「大の字になって寝てるやん」
『………ダンスの時やと私に厳しない！？』
「俺は元々、めっちゃ優しいで？」
『はいはい、ママ、起こして』
「誰がママや」
やいやい言いながら、また踊るA。
やっぱ、上手い。
今回のペアダンスは、少し雄々しい。
でもAは、男の色気も表現できてしまう、表現力の塊。
技術もあってめっちゃ上手いけど、それ以上に、目で追いかけてしまう、見惚れてしまうダンスをしてる。
ダンスが私の恋人やねんって前言っとったな、そういえば。
『…リチャ？、リチャ！』
「あぁ、ごめん、」
『ここ、どうゆう動き？まだ分からん』
「ここは、こうで、正門の前が、」
『あ！わかった！流石やわ〜、次に繋がるとこ良規に聞いたからあかんかった笑』
「通しでする？」
『うん！』
Aのダンスを最初に見たのは、先輩たちを抑えてセンターで踊ってる姿。
「いいやん」
それで、いつか一緒に踊りたいって思うたのが、俺の感想。
多分やけど、憧れてたんやと思う。
『やたーできた〜！』
ハイタッチを無理やりさせてくるAにも、少しは慣れた。
『は〜ダンスは楽しいね〜、リチャと踊るのめっちゃ楽しい』
「俺も」
『せやんな〜』
「…はいはい」
『はいは一回やねんで！』
「はいはい、ほら、汗拭き？」
密かに憧れがあったAと仲良くなった途端に、保護者にもなるリチャ。
「夫婦しとる」
「夫婦しとるってなに？」
「夫婦しとるな」
「なぁ、夫婦って、なぁ！」
自他ともに認める夫婦ペア。
リチャと両想いなんはAだけ(多分)。
意外とAがハーフで、リチャ見ると安心するっていうのは、あんま知られてない。
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作者名：みみ | 作成日時：2023年10月26日 0時
