side y.m ページ37
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俺には名ばかりの婚約者がいた。
親が勝手に決めた結婚。
ただ文字だけの婚約者。
好きでもないこの人と結婚するんや、なんて他人行儀。
「良 規さんは結婚いや？」
「……わからないです。」
「私は不安です。」
「え？」
おどけて笑う君に、少し安心した、俺も同じ気持ちやって。
彼女は、真っ直ぐな人やった。
だから、少しずつ、少しずつ、ズレていったのかもしれん。
「旅行？」
「うん、卒業旅行みたいな」
「へー、楽しみやな」
「お土産買ってくるね。」
同性同士だけの旅行やと思ったら、異性との旅行やった。
彼女には、元々付き合ってた人がおった。
「ただいま、良 規、これおみや」
「おかえり〜」
「……なにこれ」
「2人で楽しかった？」
「なに、この写真、」
「一応婚約者やから。」
旅行の写真を渡す。
ここから、俺はおかしくなっていった自覚がある。
「今日は遅いん？」
「今日は何してたん？」
「……またあいつと会ってるん？」
「もう別れた？」
彼女は俺の問に答えてくれなくなっていった。
「良 規」
「おかえり、あと久しぶり」
「これなに。」
俺に渡してきた一通の封筒。
「内容証明やったかな？」
「……なんで、」
「一応婚約者やろ、俺ら。」
「誤解してるよ」
「2人で行ってたのに？」
「何回も違うって言ってるじゃん、他の人もいたって」
「まだ2人で会ってんのは？」
1枚の写真を見せる。
「…良 規、ずっと、ずっと怖いよ、私の話聞いてくれない、」
「え、なん」
「………私は物じゃないんだよ」
泣いてる彼女を初めて見た。
出ていく彼女を追いかけることも出来ない。
その後婚約破棄、彼女はその彼と駆け落ちしたことを知った。
俺は彼女を婚約者としてしか見てなかった。
『お姉ちゃんじゃないけど、いいんですか？』
「こっちこそごめんね」
また、名ばかりの婚約者ができた。
今度はうまくいくんかな。
………好きになれるんかな。
ある日、Aが働いてる会社付近の公園を通る機会があった。
『誠 也、ありがとう。』
「ええって、早う帰り」
Aと男？
『冷たい、お店じゃないとこんな、』
え、なんや。
2人は仲良さげにキスをしていた、恋人みたいに。
「店来なくてええから、帰ろう」
『……うん』
嬉しそうに笑うAを久しぶりに見た。
胸が苦しくなる。
なんやこれ、なんなんこれ。
気が気じゃなくなったんは確かだった。
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みみ(プロフ) - ぽこぴーさん» コメントありがとうございます！消してしまったすみません(；_；)どこかで短編集で出そうと思います！ちょっと内容変わっちゃうかもですが、絶対出します！ありがとうございます！！ (8月18日 20時) (
レス) id: b4f8d29230 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぴー(プロフ) - お話途中のものいくつか読ませてもらったんですが、全部続きが気になりすぎます、、！！ぜひ書いていただきたいです♡ (8月5日 16時) (レス) id: 2a3fd4e7ff (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - ぽやさん» コメントありがとうございます…！とても嬉しいです（泣）ありがとうございます、更新がんばります（泣） (2023年4月17日 1時) (レス) id: b4f8d29230 (このIDを非表示/違反報告)
ぽや - 初コメント失礼します！小島くんのお話が何がとは言いませんが刺さって抜けられません…（）更新楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2023年4月16日 20時) (レス) id: abd48ed021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみ | 作成日時：2022年12月12日 23時
