マジの恋 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:6,660 hit

episode 7 ページ7

錦戸side

登校時、安を安の家の前で待つこの時間は、丸

への愚痴と相談のオンパレード中が常。

錦戸「丸……俺もうあかん…」

丸山「何が？あ、章ちゃん？」

顔を両手で覆いながら丸に呟くと、毎度のこと

のせいで丸もすぐに感づいた。

丸は俺の章ちゃんについての話を一番よく聞い

てくれる。

丸山「難儀なものよのう」

そして一番煽ってくる。

錦戸「可愛いって…」

丸山「え？」

錦戸「可愛いって…章大に言われた……」

丸山「あちゃー」

可愛い、なんて思ってほしくない。

かっこいいとかそういう風に、男として見てほ

しい。

好きな人に友達として見られるのがキツイ。

丸山「もうかれこれ片思い何年や？」

錦戸「……10年とか…」

丸山「あらぁ一途で可愛いわね」

錦戸「お前には別の意味で可愛いとか言われた

ないわボケ」

安田「ごめん、おはよーさん」

玄関から出てきた安は、またいつもの眼鏡と前

髪。

丸山「グットモーニーン！」

錦戸「ん、はよ」

安の顔を見ると昨日の電話の内容を思い出して

しまって、さりげなく丸を真ん中にして安を避

けた。恥ずかしさが先行しまくってる。

丸山「なあ眼鏡外したら？」

安田「しつこいなあ丸笑」

丸はいつも安の眼鏡を外させたがる。

そりゃ当然だ。

俺たちと眼鏡してる安は、見た目的に確かに疑

問を感じる組み合わせだと思う。

何と言うか、自分で言うのもおこがましいんだ

けど、一匹狼的でまあまあルックスもいい俺

と、同じくまあまあかっこよくて明るい丸と仲

良くするようには見えないと思う。

勘違いせんでや、自惚れとちゃうで。

安とは違って俺は正しく自分の外見を評価して

るだけや。

でも俺はどんな安でも一緒にいたいし好きだか

ら、正直眼鏡の有無はどっちでもいい。ない方

が可愛いとは思うけど。

丸山「もう高二やで？このまま三年間それで隠

してくつもりかいな、窮屈ちゃうん？」

安田「…そーだよなぁ」

と、丸がちらちらとこっちを見始めた。

ん？とアイコンタクトで返すと、丸は安を顎で

指しながら何かを伝え続けてる。

にあうから、はずせっていえ

錦戸「？！！」

丸山「いけ！」

言いたいけど言えんわ！