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「これ、旦那さん」
「うわ爽やか」
「ね 適当に見て」
携帯を渡してシルクの指がスライドして、写真がどんどん変わっていく。
これはね、と話をしながら二人で写真を見ていると二次会の写真でシルクの手が止まる。
「こいつ」
「ん？あぁ」
「話したの？」
「まあ…終わったことだし久しぶり〜みたいな。ていうかよく覚えてるね」
「まあ。」
私と一緒に写る彼は高校時代の彼氏。
何人か男の子も二次会だけ参加していた。来ていたのは友人の人懐っこさと人の良さと、愛嬌だなあと実感した。
「俺、こいつにAと付き合ってんの？って聞かれたわ」
「あぁ、言ってたね」
「女々しいやつ」
「終わったことを言わないの」
はいはい、と画面をスライドさせて何枚か進んだ時シルクの指が戻って「これ」と私を見る。
「送って」
「え、やだ」
「…なんで」
「いや、むしろ何で？」
いいから、と勝手に操作してテキパキと送信を進めるシルク。短い音を鳴らして彼の携帯が光る。
「何に使うの…」
「使わねえよ！」
「使用許可は出さないからね」
「使わねえって！」
信じられない、とジーッとシルクを見つめるとシルクの手が私の頬を抓る。
「いひゃい」
「ふふっ、ブス」
抓る手を思い切り叩くと「いってえ！！」と大袈裟に言うから そのままシルクの頬をつねって「ブス」と言い返す。
その手を掴まれたと思ったら床に押し倒された。
「うそ。可愛い」
「…うるさい」
「拗ねんなよ」
足が直接触れ合って擦れる。ぞくり、と背中が震えた。
「さっきの写メ」
「なに」
「可愛かったから欲しかった」
熱っぽい目に見つめられながら呟かれた言葉に心臓の鼓動が早くなるのがわかる。
「彼氏みたい」
「まあ、気持ちは」
「すごく図々しい」
「嬉しいくせに」
「…うざ」
隠すように放った言葉にシルクが笑う。
わざと擦れる足がくすぐったくて手のひらに力がこもる。
「っ、くすぐったい」
「知ってる」
「なに…っ」
「マジで可愛い」
近づいてくる唇、握られる手。
空いた手が太腿を撫でるから吐息が漏れて、それを待っていたかのように触れた唇は息をする暇も与えてくれない。
「だめっ…」
「わかってる」
そう言いながらまた口付けるから必死に肩を押すけれどふわふわとしていく体は力が入らなくて情けなくシャツを握るだけ。
「風呂出たら、な」
唇を舐めて、妖しく笑うから顔が熱くなって必死にシルクの下から逃げてお風呂場へと向かった。
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作者名：yuyu | 作成日時：2018年5月20日 3時
