49 ページ30
.
マサイの家で恒例のゲーム大会。
ゾンビゲームをするモトキとシルク。
私はマサイの足の間に座って「うっわ、」と画面を見ていた。ダホちゃんとゲームをしていたのだけれどおねむモードになった彼はクッションを枕に眠ってしまった。
「やっべ!モトキ回復!」
「ちょっと待って!俺もやばい!シルクどこ!?」
「こっち!上上!!」
買ってきたスナック菓子をつまんで、テレビ画面を見つめる。気持ち悪いし怖いのだけれど気になってしまう。
「ぽん お菓子」
「ん、あーごめん」
マサイに指摘されてつまんでいたお菓子を一口。するとマサイが「ひとつちょうだい」と私の肩に顔を乗せて言った。
「はい」
「ん」
すぐ近くにあるマサイの顔に少しびっくりしながらも口に運ぶとさり気なくマサイの腕が私のお腹に回った。
「うま」
「もう一個食べる?」
「ちょうだい」
「んー」
耳元で さく、さく と軽い音がする。
「モトキそっち行って、俺こっちやる」
「了解〜」
「あっ、待った 敵いる」
「うおー、やべえ」
「あーきたきたきた!!」
ぱんっと鳴る銃声、低い唸り声をあげるゾンビ達。やけにリアルな音と映像に体が強ばる。
「…!!」
「…びびってる」
「そんなこと…」
「今日夢にゾンビ出てくるんじゃね?」
「マサイ…」
「冗談だよ」
ふふ、と笑うマサイ。体を逸らして、逆に体重をかけると「ちょ!ケツ!骨!」と声を上げた。
「マサイのばかー」
「冗談だって!」
マサイも抵抗して体制を立て直してまた私の体へ寄りかかるから床に手をついて耐える。
「ぽん!ごめんなさいは!?」
「えっ、私なの」
「俺だったわ」
「そうだよね?!」
マサイの体が左に傾いてそのまま私も耐えきれず床に体を投げ出した。
「お前ら何してんの?」
「あっ、シルク 俺死んだ」
「お前も何してんの!?」
へへっ、と笑ったモトキはコントローラーをテーブルの上に置いてなぜか私たちの上に乗りかかる。
「うっ…モトキ…」
「よいしょっ」
「うお!マサイー!」
「重いーっ」
「うおりゃっ!」
モトキがのしかかって、マサイがするりと抜けてモトキの上に乗る。モトキはマサイを背中に乗せたまま腕立て伏せをするように私から体を離す。
「モトキすげー!」
「マサイ軽いから行けそうだった〜」
「ねえ私抜けていい?」
「モトキこのまま腕立て伏せして」
「やってみっかー!」
「ちょ!マサイ足掴まないで!」
「逃げちゃダメ」
→
66人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yuyu | 作成日時:2018年5月20日 3時