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(37 微妙に続き)
8人目のおんなのこ。2[仮]





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「ねっむ…」

あくびをしながら寝室に入ってきたシルクが布団の上でストレッチしてた私の背中をぐぐっと押してけらけら笑った。


「ぎゃ、むりむり」
「そこまで行くなら十分だろ」
「じゃあ押さないでよ」
「つい」


座り直してシルクを睨むと彼はまたあくびをして布団に潜り込む。


「電気消すよ?」
「んー、 …ぽん」
「はいはい」
「来て」


自分の隣を とん、と叩きながら私を見上げた。それに頷いて、電気を消して隣に潜り込めば抱きしめられて、シルクは満足気に笑って「この前さ」と呟き始めた。


「お前のこと女だからとか言ったじゃん」
「うん」
「なんで怒んねえの、お前アレ言われるの嫌がるのに」
「あの状況で言われても、ね」
「今思い出しても?」
「んー特に。」


だって、女じゃなかったら愛してるなんて言ってくれない。アスレチック動画で言われてるのは訳が違う。

確かに言われた時は胸が痛かった。でもそれ以上に愛してくれたことが嬉しい。
優しさを知っているから、寄り添ってくれていたから、どんなに酷いことをされたと言っても嫌いになんてなれない。


簡単に、嫌いになんてなれない。



「あんな事言って、無理矢理押さえつけて、嫌われたらってどうしようって考えてた。」
「私だって思ってるよ」
「…簡単に、嫌ったりしねえよ」


私の頭を胸にぴったりと抱き寄せて、髪を撫でて、同じようなこと思ってることが嬉しくて、彼の体に抱きついた。


「これからも好き。それだけは分かってて」
「ん、ありがとう」
「もうあんなことしねえから」


切なそうな声に頷けばシルクが少し離れて、私の顎に手を添えてそのまま顔を上げさせられる。優しく触れた唇は熱かった。

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作者名:yuyu | 作成日時:2018年5月20日 3時

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