memoria (ページ5)

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『ふぅ。待たせてごめんね。』

「ううん、大丈夫」

『部屋に案内するね。』

案内された部屋には、ベッドと机と本棚しかないシンプルな部屋だった。

『ここ書斎なんだけど、友達とか泊まる時に用意してたベッドもあるからここ使って』

「…ありがとう」

何となく本棚を見ていると、建築に関する書籍や洋書が並んでいて、その中には背表紙に東海オンエアと書かれた本があった。なんとなくそれが浮いてる気がして手に取ってみると、すぐにりょうが取ってしまった。

『…ごめん、これ友達の忘れ物なんだ。だからこれは遠慮してくれる？』

「あ…ごめんね」

『こっちこそごめんね。…疲れたでしょ。ベッド使って休んで。もし喉乾いたりしたら冷蔵庫から好きに飲み物飲んでいいから』

「わかった。ありがとう…」

若干腑に落ちないが、疲れもありベッドに入ればすぐに眠りについてしまった。

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