memoria (ページ22)

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『その男の子と女の子はね、家が隣同士で幼なじみだったの。その女の子は自分のことは二の次にして、自分すらも犠牲にするような子なんだ。だから男の子はいつも女の子を見守ってた。…でも女の子は引っ越しちゃうんだ。お別れのときに、女の子が言うんだ。“私のこと忘れないで。ずっと大好きだよ”って。男の子も“僕もずっと大好きだよ。大人になったら絶対会いに行くから”って約束したんだって』

もう涙が止まらなくて、どうすればいいかわからなかった。私の知らない、りょうと私がそこにいたから。

『ずっと大好きだった…今も大好き』

「私っ…約束っ…覚えてないよ…」

『覚えてなくていい。思い出さなくてもいいんだ。でも…今の俺のことどう思う？』

「…大好きっ」

りょうは涙が止まらない私にそっとキスをして、そのまま抱きしめてくれた。

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