孤独の芽は咲く ページ46
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---------- ヒナ side ----------
優菜
「久しぶり〜！！」
ヒナ
「ほんと久しぶり！！何か月ぶり！？」
優菜
「何か月とかじゃないよ〜
もう1年半ぐらい？」
ヒナ
「もうそんな？あっという間！！」
優菜
「何言ってんの笑
ヒナが忙しくしてるから
中々会う時間もないんじゃん！笑」
ヒナ
「いや、優菜こそもうお母さんになって、
気軽に誘えないじゃん笑」
優菜
「そっか笑
一緒にアイドル目指してたなんて
なんか夢みたい笑
最近どう？やっぱ忙しい？」
ヒナ
「ん〜そうだね〜」
優菜
「あ、そうだ！
今度ブランドプロデュースするんでしょ？
どんどん夢を叶えていって、
ほんとすごいね！！！」
ラグジュアリーブランドのプロデュースは
本当はAにきた仕事だった
でも、ソロ活動で手一杯だったのか
その仕事は私に回ってきた
やりたくなかったわけじゃない
むしろ前からやってみたかった
でも、ずっと蟠りが残っていた
ヒナ
「そ、そうかな！」
優菜
「そうだよー！！デビューして
ずっと活躍し続けられるのは
ごくわずかって先生にも言われたでしょ？？」
ヒナ
「そっか、そうだね！
でも、優菜もなんか雰囲気変わったね！
優しい顔になったっていうか」
優菜
「あの時はなんか、
色々と考えることいっぱいだったからね笑
子育てもあるし仕事もあるし、
旦那へのイライラも溜まって大変だけど
やっぱり楽しいかな、
なんか生きてるって感じかする」
なんで？
なんで優菜は夢を叶えた私より
そんなに幸せそうに笑うの？
Aもそう、いつも楽しそうに笑って、
みんなは知らない
何も分かってない
なれるんだったらもっと素直で
愛嬌のあるアイドルになりたかった
頑張っても頑張っても
努力で信頼を得た彼女と比べられたら
なにも勝てない、追いつけない
だって私は
全部が"造り物"だから
"それは許さないからね？"
今にも消えて無くなりそうなほど
罪悪感に苛まれたAに
そんなことを言ったのは
結局、自分の居場所を守るため
結局、
私は自分勝手なだけ
優菜
「アイドルになれてよかったね！ヒナ」
ヒナ
「うん。本当によかった。
私は幸せ者だ」
胸の中で微かに響いた何かが壊れる音を
作り笑顔で塞ぐ
私は嘘つきだ
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作者名：ASAHI | 作成日時：2021年5月4日 19時
