no1 【岩田剛典】 (ページ4)

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クリーニング代と謝罪ページ4

冷汗が止まらない。

自分の知らない所で、自分が大失態を犯しているなんて…

ピーッ・・・

コピーが終わった。

「あぁ、どうしよう・・・」

とりあえず、スマホを取り出すと

高級スーツ、ゲロ、クリーニング代。と入れて検索…

だって、いいスーツのクリーニング代なんて検討もつかない。。。

デスクから便せんをだすと、少し多めにクリーニング代を入れた。

あぁ、悪魔様。お願いします、どうかこれでお許し下さい、、、。

祈る気持ちで、コピーした書類と便せんを持つと岩田さんのデスクに向かった。

デスクの前に立つと、ＰＣに向かっていた岩田さんは、チラッと私を見てすぐに視線を戻す。

「コ、コピー終わりました…」

緊張感ＭＡＸで声を絞り出した。

「ご苦労」

「はい、では失礼します」

書類と一緒に便せんを置くと、足早に逃げる様にその場を去った。

デスクに戻って自分の仕事に取り掛かろうとパソコンを開いた瞬間。

ポンっ。

ん？

肩に手が。恐る恐る見上げると、、、

「秋澤風美さん、ちょっといいかな？」

にっこり言う岩田さんが。

「あ、いや。今はちょっと、、、あはは…」

「・・・・・・」

無言で見つめる岩田さん。しばらく目が合ったと思ったら、顎でしゃくられた。

「はぁッ、、、、、」

ガックリうなだれた私は、黙って岩田さんについて行った。

廊下に出ると、岩田さんは便せんを出した。

「これはなんだ？」

「あ、あの昨夜はすみませんでした！」

アタマをこれでもかってぐらいに下げて謝罪した。

「か、かなり酔っ払っていて、記憶が無かったんです。決してしらばっくれようとしたわけじゃ…。本当にすみませんでした」

「・・・・・・」

謝るけど、無言の岩田さん。

ゆっくり頭を上げると、

「これは返すよ」

「え？」

思わず声が出た。

「その代わり、君にはボクのアシスタントになってもらうから」

えーーーーーーーー！！！

「い、いや、、、、。」

「秋澤風美さん、謝罪っていうのは、相手が納得して初めてその意味を持つんだよ。」

この人、微笑んでるつもり？目が怖すぎ…

そして、私に選択の余地はないと悟った

「は、はい…。分かりました、お仕えさせて頂きます。何なりとお申し付け下さい…」

「うん、物分かりのいい人は嫌いじゃないよ」

満足気にいうと、

岩田さん…改め悪魔はご機嫌で去って行った。。。。