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Episode.41 ページ16

「8歳のお誕生日おめでとうリドル。」






視界は何故か白黒に染まっている。
…これは、ローズハートの記憶だろうか?


疑問に思っていれば、ふと声が聞こえてきて、そちらに視線を向ければ女性が居た。
…先程の言葉からして、ローズハートの母親とみるのが妥当だろう。




話の内容は、カロリーを気にする母親に、自分の食べたいものを食べてはいけないと言われているもの。
子供の普通の願望でさえ、彼は叶えて貰えなかったようだった。





【 ボクは、ずっと真っ赤な苺のタルトが食べてみたかった。 】




突然、空間に響いた声。
それは紛れもない、ローズハートのもの。

彼がずっと抱えていたのであろう、ほんの小さな願い。





【 たまに通りかかるケーキ屋さんの ショーウィンドウ に飾ってある 宝石みたいなタルト。 】





それくらい、叶えてあげても良かっただろうに。


シーンが移り変わる。

次の話は、図書室でも聞いてしまった分刻みでの勉強の話。
予習で五十ページは普通はやらない。

それに、子供に何をさせているんだ。



話を聞いた時よりもこうして映像で見せられる方が、心にくるものがあるな。




【 分刻みで詰め込まれる ありとあらゆる学問。出来なければ出来るまで延長される学習時間。 】




でも、これがボクの『普通』だった。
続いたのは、そんな言葉。

俺がこの時、彼に出会えていれば、彼の母親に訴えてやったのに。

そんなものは、ただの偽善でしかないのだろうが。
だが、それでもそう考えずにはいられなかった。




それからも彼の話は淡々と続いた。
彼の母親は、ただの一度も彼の自由を許さず。友達さえも、取り上げてしまったようだ。





【 ルールを破れば 楽しい時間まで 取り上げられてしまう。 】




無垢な子供に、そんなことを教え込んでしまう母親のどこが優秀なんだ。

こんなもの、教育ではない。
彼の一言でさえも、彼の母親は耳に入れないみたいだった。



ローズハートは知人程度の関係の筈なのに、沸々と怒りが募った。





【 でも…ねぇ、ママ。何でだろう?何故だかとっても胸が苦しいんだ。 】




ぽつり、呟かれる疑問。

その苦しみは彼の母親ではきっと、…否、絶対に拭いきれないもの。
可哀想だなんて、他人の俺が抱いていい感情じゃない。


それは間違いなく同情だ。
だが…矢張り、そう思わずには、いられなかった。

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ベル(プロフ) - リメイク⁉とっても嬉しいです‼‼いつまでも待ちますのでゆっくりと更新してください (2022年3月19日 14時) (レス) @page42 id: cae9acff5d (このIDを非表示/違反報告)
西詩-nisi(プロフ) - 作者さんの表現の仕方などが大好きで何度も読み返すほどです!いつまでも更新待てます!! (2022年3月19日 12時) (レス) @page42 id: e5603ac374 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆっくりと更新待ってます!! (2022年3月17日 22時) (レス) @page42 id: 4b1c4a6d01 (このIDを非表示/違反報告)
ミツ(プロフ) - 好きなのでずっと待ってます (2022年3月17日 21時) (レス) @page42 id: d09839a5bb (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - この作品だけでなく、作者さんの作品すべてが好きです。いつまでも待つのでぜひ更新して欲しいです。 (2022年3月17日 16時) (レス) @page42 id: c0d88fed6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音琥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/  
作成日時:2020年12月22日 17時

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