【HQ】失恋して泣いていたら一目惚れされた話。【宮治】

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『どの本棚ですか？』
「７類の。前の当番の子が間違うてもうたみたいやから」



後で直そう思うとってんけど、職員室に用があって行かなあかんねん。


すると、そう答えが返って来て、先生は慌てた様子で出入口へと向かっていく。
「悪いけど、お願いしてもええ？」なんて聞きながら、返事も聞かずに出ていく背を見送って、
忙しそうだなあ、とぼんやり考えた。



『７類、７類…。』



それから、言われた通りに７類の棚へ行く。
７類といえば、芸術やスポーツ、なぞなぞに映画に漫画等々、眺めるだけで面白い本棚だ。

私はいつも、９類の文学の棚にしかいかないから、何だか新鮮な気持ちだった。



『(本当だ。番号がバラバラになってる。)』



背表紙のラベルを確認すると確かに、見事にめちゃくちゃな順番になっている本たち。
無言で整理を始めて、こういう時間も偶にはいいな、と思いながら作業すること、十数分。

ふと気になる文字が目に飛び込んできて、手を止める。



『(……バレーボールのルール？)』



運動は得意というわけでも、特別苦手なわけでもない為、何となく遠巻きになっていた。
そのため、手に取ったその本は不思議と興味を引かれて。

まだ何も、知らない分野だな、と。
新しいことを知るのも、好きだ。

また一つ、扉を開けるような真新しい気持ちになるから。

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