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プロローグ ページ1

痛い。
酷く、胸が痛い。

様々な記憶が頭を巡って、その度にじくじくと痛む。
目元が熱くなって、次の瞬間には頬を涙が伝っていた。



『(…失恋、したんだなあ…私)』



物心つく前から、一緒にいた幼馴染。
自分でも気づかぬうちに恋に落ちていて、その笑みが向けられるたびに嬉しかった。

ずっとずっと、好きだったのだ。


けれど、中学三年の夏、親の都合で引っ越しが決まって。
その想いを告げることなく、転校して移住。

それでも忘れられなくて、彼にそんな風に見てもらえていないとわかっていても、偶にするメッセージのやり取りが堪らなく大切だった。
のに。



『(…彼女、)』



久し振りに、彼から連絡がきたと思えば。
その内容は、彼女が出来た──というもので。

顔を合わせることも、声を聞くこともなくなっていた私には、その連絡は重かった。
縋るように、記憶を抱えていただけの、私には。


もしかしたら。
もしかしたら。

そばから居なくなったことで、少しくらい寂しく思ってくれたりとか。
思い返してくれたりして、それから、なんて。

そんなことを考えていたのが、本当に馬鹿だったんだと実感して、泣いた。



『(…もう、会うこともない、のかな)』



幼馴染といっても、彼は宮城にいて、私は今兵庫にいる。

それに、彼には彼女ができて。
私は、ただの、「疎遠になったお友達」で。

今更幼馴染だなんていって会ったとしても、邪魔にしかならないだろう。



考えれば考えるほど心がぎゅうと絞られるように痛んで、また涙を溢した、その時だった。



「…どないしたん?どっか痛いん?」



いつの間にか目の前にやってきていた、彼に声をかけられたのは。

**→



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宮兄弟推し - 推し=恋愛対象の人間です。宮兄弟ガチ恋勢(わい)には、たまらん作品です。ありがとうございました! (5月18日 20時) (レス) @page28 id: e2e9177bef (このIDを非表示/違反報告)
風矢@二次元待ち(プロフ) - とても幸せな小説でした。おつかれさまです! (2023年2月21日 15時) (レス) @page28 id: 8fd965734e (このIDを非表示/違反報告)
にゃん吉(プロフ) - 胸がギュンってなりました🤦‍♀これからも応援してます!更新頑張ってください🙇🏻 (2022年11月23日 3時) (レス) @page21 id: 4862dc7ef3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音琥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/  
作成日時:2022年11月19日 18時

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