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第五話 ページ9

次の日。




休み時間になるなり、角名君と宮君が寄って来て、また作戦会議をする。
というつもりだったが、彼らは揃ってこう言った。



「ねえ、もういいんじゃない」
「ツム、むっちゃわかりやすく嫉妬しとったやん」



と。

つまり、もうドッキリを辞めよう、という提案だ。
確かに昨日は仕掛けた二回とも、思ってる以上に欲しかった反応が見れたけど。

でも。



『辞めたらすぐ、元に戻る気しかしない。』



無意識に、眉が下がる。
拗ねるような気持ちでぽつりと返答すると、二人は顔を見合わせた。


彼らには、迷惑しかかけていない。
角名君なんて昨日、悪くないのに侑に睨まれてしまっていたし。

だからこそ、強くは言えなくて、ただ俯く。



「ま、Aが耐えてた期間に比べれば、まだまだってことで。」
「せやなぁ。しゃあないから付き合うたるわ」


『倫太郎、宮君…。』



少しの間の後、降ってくる声。
その優しさがじんときて、ありがとう、と言うと。

話を聞いていたクラスメイトたちも、次々と


「侑にもっと危機感与えたれ」
「橘さんも大概モテとるしなあ」


なんて声を投げかけてくれる。

私はモテてないけど。
それは全然違うけど。



「ほんなら、次はどうするん」
『どうしよ』
「ノープランかよ」



続行が決定して、また作戦会議に戻ったところで、次のことについて話し合う。
名前呼びやあーん、忘れ物の配達、ゴミついてた、等々。

簡単に思いつくようなものは大方昨日のうちにやってしまった。



『…なんかあるかなあ』
「お悩みかな」



三人でううん、と唸ったところで、寄ってくる友人の色羽(いろは)
彼女はこのクラスの中でもトップレベルの美人さんだ。

いの一番に協力を申し出てくれた人でもある。
何か案があるのか、と問いかけると、色羽は笑って頷いた。



「可愛くなってまえばええねん」

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サラミ - 初コメ失礼します。もう設定から面白くて、どんどん読んでしまいました!!更新楽しみにしています。主様のペースで無理しないように頑張ってください!!!上から目線ですみません。 (2022年11月7日 21時) (レス) @page18 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音琥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/  
作成日時:2022年11月2日 18時

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