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焼け焦げる匂いと、立ち昇る煙。
その奥に見えたのは、大分と弱った特級呪霊であろう気配とその姿。
しぶといな、これをくらっても死なないか。
ハァ、と溜息を吐きながら呪具を振りかぶった時、傑が言う。
「祓わなくていい、取り込む。」
了解、と頷いて止まれば、あっという間に黒い玉に変わる呪霊。
顔を顰めながら飲み込もうとする傑。
その表情が少し引っかかって、もう危険はないだろうと呪具を拾ってきたギターケースにしまいながら聞いた。
『前から思ってけど、それ
今まさに飲み込もうとしていた傑は、ピタリと動きを止めて、後苦笑して頷く。
まあ、だろうなと相槌を打って、再び口を開いた。
『じゃあ、別に取り込まなくてもいいんじゃね。』
目を見開く傑は、何を言っているんだと言わんばかりの様子だ。
それに気圧されることなく、さらに言葉を重ねる。
『そりゃ、取り込んだら強くなれるかもしれないけど。』
それはお前が無理してお前を壊してまで頑張ることじゃないよな。
なんて言ったらまあ、大袈裟か。
頬を掻いて呟きながら、やっぱやりすぎたな。と瓦礫を見ていると、背後から声が届いた。
「…君は、優しいな。」
何かを迷っているような、そんな声だった。
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moo(プロフ) - 甘々の溺愛最高です! (2023年4月19日 8時) (レス) @page49 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:音琥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/
作成日時:2022年3月12日 4時