甘々 ページ40
五条悟side
背は俺よりも少し低い癖に、骨ばっていて大きな温かい手に引っ張られる。
真っ直ぐにこちらを射抜く
まるで、ずっと”愛しい”と言われているような気になって。
『此処、割と好きなんだよな。』
そう言って連れていかれたのは、大型ショッピングモールの隅の方にある洒落たカフェ。
ショーケースには沢山のスイーツが並べられていて、ちゃんと俺のことを考えて選んでくれたのだろうと察する。
二、三個そのスイーツを頼んで、何を注文するのかと待っていれば、
『珈琲、Mサイズで。ミルクと砂糖は要りません。』
すぐ傍で低く静かな声がして、思わず振り返る。
紡がれた音がじぃん、と腰まで響くような感覚に、きゅっと一度目を瞑った。
再び目を開けた時には気付けば腰に手が回されて、しっかりとエスコートの構えをとられていて。
俺の視線に気づいたAは、どうした?と小さな声で聞きながら少し微笑む。
甘すぎ、と熱くなる顔を片手で覆い隠せば、聞き取れないくらい微かな声で、『…可愛いな。』と呟かれた音。
ぶわ、と熱が体を巡る。
「お待たせしました〜。」
店員が呼び出す声が聞こえて、それを聞いたAは座っといて、と言い残し取りに行った。
ふっと優しい熱が遠ざかって、少しの間立ち尽くす。
数秒後、ハッとして二人掛けの席に向かい腰を下ろし。
待つ間に、当然のように持ってきてくれるアイツは理想の彼氏像かなんかか??と混乱して机に突っ伏した。
『…悟、何してんの。』
その少し後、名前を呼ぶ声が聞こえて身体を起こす。
そこには片手で軽々とトレーを持ったAが立っていて、驚いていると彼は笑った後に俺の頭を撫で、流れるように椅子に腰掛け珈琲を飲み始める。
なんだこのスパダリ。
照れも一周回って真顔になった。
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moo(プロフ) - 甘々の溺愛最高です! (2023年4月19日 8時) (レス) @page49 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:音琥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/
作成日時:2022年3月12日 4時