【呪術廻戦】雨を乞う。【男主】 (ページ39)

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逢瀬ページ39

現在、ショッピングモール。

奢りというのは当然、カフェやら何やらでお茶する時の会計の話だ。
だというのに、何故か俺は三人に連れられてショッピングモールに来ていた。

好きな物買ってやるって意味じゃねえよ、と呟いても、聞く耳を持たない。

『で、何のためにショッピングモールに来たんだ？』

問いかければ、悟が若干頬を染め、硝子と傑が笑う。
見当もつかず首を傾げれば、硝子がこちらに手を差し伸べた。

「一万。」

よこせ、ということらしい。
給料もそれなりにある、それくらいなら別に構わないと手渡す。
すると、それを受け取った彼女は傑を連れて去っていく。

残された悟が俯いて立ち尽くしているのを見て、漸く察した。

『……そんなに寂しかったのか？』

どうやら彼らは、というか悟は、俺とデートがしたくてショッピングモールにきたらしい。
それに気づいた二人が、奢り分の金だけ巻き上げてどこかに行ってくれたのだろう。

緩く微笑んで、歩み寄りその手を絡め取る。
じわ、と赤くなった悟が顔を上げて、不安だったんだよ。と言った。

『(…確かに、ぶっ倒れて二日意識不明だったらそうもなるか……。)』

深夜に起き出して見舞いに来ようとするくらいだもんな。
あの時は流石に眠かったのか寝落ちしていたけど、と頷いて苦笑する。

もう大丈夫だって言ってるだろ、とその手を引いて歩き出した。

『折角のデートなんだ。楽しもう、』

な。と微笑んで振り返れば、少し心配そうに細められていた目が嬉しそうに緩んだ。

さて、どうやって甘やかそうか。
そう考えながら、そこまで想われていたことも嬉しく思ったのは秘密。