【呪術廻戦】雨を乞う。⑦【男主】 (ページ9)

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「…怖いのは、コッチの台詞なんだけど。」

布団に顔を埋め、俺に背を向ける悟。
その隙間から見える、赤くなった耳とか。そんな態度そのものから、照れがにじみ出ていて。

再びその体ごと、後ろから包むように抱き締めれば、扉から聞こえるノック音。
誰か来たのか、と一瞬疑問が浮かび。

直後には、誰が扉をノックしたのか理解して、残念、と悟の身体を離し起き上がる。

『よ。』

扉の方まで歩いて行って、ガチャリと内側から開けば、外に立っていたのは案の定傑だった。
彼はそう吞気に笑った俺を見て、笑みを返す。

「A、おかえり。」

彼らにも、俺が今日戻ることを伝えてあった。
だから、朝になったこのタイミングで、この部屋を訪れたのだろう。

振り返って時計をみれば、針が指す時間はA.M.7:20分。
気付けば起きてから一時間以上が経っていて、悟との感動の再会が長引き過ぎたな、とも思いつつ。

『…ああ、ただいま。』

互いに軽くハグすれば、ふ、と微笑み合った。

照れがおさまったのか、後ろからやってきた悟にぎゅうと抱き着かれたことで、傑とは少し距離ができたけど。
三人で笑みを交わせることが嬉しくて。
そんな感情も、共有できている感覚があるのが、何より幸せだった。

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それからも、色々な人との再会で終始感極まってしまって、情緒が大変だった。
否、そんなことよりも嬉しさが勝って、関係ないようなものだったが。

まず、高専に行けば、当然硝子と夜蛾先生に会った。
四年間、ほとんど高専に居なかったにも関わらず、それを何でもないことのように言ってくれる彼女らも、やっぱり変わらず良い人たちで。

そんなことをしていれば、泊まりの任務から朝一で帰還したという二年生──いや、三年生の二人とも会った。

「白拍子さん!!!」

灰原なんて、大きな目からぼろぼろと涙を流しながらお土産を押し付けてくるものだから、思わず笑ってしまったり。

この場の誰よりも泣いている灰原のおかげで、他のメンツは誰一人として泣けなかったみたいだが。
自分より泣いている人が居ると、泣く気が失せていくというやつだ。

そんなところにも”らしさ”を感じて、元気そうだなと頭を撫でる。