【呪術廻戦】雨を乞う。⑦【男主】 (ページ8)

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待望ページ8

翌朝。

ぱちりと目を覚ました。
時間にして、A.M.5:50分。

フライト中も寝ていたから、少し早く目覚めてしまったのだろう。
八時間、そんな時差もあって、体としてはまだまだ眠いが。

起きても、変わらず悟は腕の中にいる。
それがどうしようもなく幸せで、自然と頬が緩んだ。

「ん、…A？」

不意に身動ぎをした悟が、呟くように俺の名前を呼ぶ。
それに強く抱き締めることで返事をすれば、眠そうに蕩けていた瞳が潤んで、抱き締め返された。

一年と少し振りの再会。
でも、今後はもう離れることはないから、以前よりも嬉しさが大きく。

『ただいま、悟。』

「…おかえり。」

短く言葉を交わせば、強い引力に引き合わされるように唇を重ねる。

一度重なった視線はもう逸らせなくて。
一度合わさった唇を離すことも、できなくなった。

貪るように、夢中になって互いを求めること十五分。
息も絶え絶えになってから漸く、段々と実感が湧いてきて、今一度強く抱き締め合った。

『ごめん。大分、待たせた。』

暫くの間、沈黙で満たされていた空気を破る。
ぐりぐりと頭を押しつけてきていた悟が、今更でしょ、なんて笑って言った。

「これから埋めてくれるって、知ってるから。」

謝らなくていい、と、言わんばかりに。

悟は”知っている”と言った。
間違いなくそうすると、確信している言い方。

こんなにも長い間、空白の時間を強いてしまったのに、変わらない信頼を寄せてくれている。

『ハァ………好き。』

マジで好き。
何？なんでそんなに可愛いの。

途端にぶわ、と赤くなる頬に手を添えて、すり、と指先を滑らせくすぐる。
照れているのだろう、逸らされそうになる瞳を射抜き捉えて。

『もう、これ以上ないくらい惚れ込んでるのに。』

何度でも、もっと深くオトされんの、最早怖いわ。

触れ合うだけの軽い口付け。
微かなリップ音が鳴って、いっぱいいっぱいだと訴えてくる表情に、思わず笑みが溢れる。

好き過ぎて苦しい。
どうにかなりそう。

なんて、続けてその耳元で囁くと、どん、と押されて距離ができた。