【呪術廻戦】雨を乞う。⑦【男主】 (ページ15)

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進路ページ15

何も変わらない。

それは、卒業後数週間が過ぎた今、感じることだった。
拠点が変わらない以上、任務を受けて向かい、済ませて戻る。

そんな生活は一切変わらず、本当に卒業したんだよな？と疑問に思うばかりである。

「僕、教師になるから。」

なんて、前々から──「僕」になった頃から決めていたらしい悟は、そのための勉強を積んでいるようだが。

傑もそれに触発されたのか、今では競うように励んでいる姿をよく見かける。
硝子に、

「君はどうするんだ？」

と問われて、すぐには答えられなかったことを思い出した。

悟と傑は、高専で教師。
硝子は変わらず、ここで医務を続けるようだ。

俺も、彼らと一緒に教師になろうかとも考えたけど、悟たちのように信念があるわけじゃない。

『(……呪術師、か。)』

それは、立派なひとつの”職業”だった。

給料も出るし、役割がある。でも、悟と傑はそれと教師を兼業してやるという。
劣等感とはまた違う、取り残された様な感覚を覚えて、逡巡した。

俺が望むのは、これからも彼らと共にいること。サポートをすること。
そのためにどうすればいいのかという疑問に、答えを出せないでいる。