【呪術廻戦】雨を乞う。⑤【男主】 (ページ39)

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その時、ガラリと開く扉。

最近、というかここ数日、こんなことが多いな。
傑と二人でいるときに、誰かが入ってくることに既視感を感じながら視線を向ければ。

「ここにいたのか。A。」

教室に入ってきたのは夜蛾先生だった。
彼が言うには、明日からは任務を再開するように、と源家当主様のご達しだ、とのこと。

親父、行ったり来たりの手続きを全部押し付けてたから、絶対任務詰めてるんだろうな。
と、少し苦笑しながら、はいと返事をする。

『日本か。』

せっかく帰ってきたんだから、向こうではまだやってない、…というかできるかわからないんだし。
雨乞いでもやろうかと、思考を回す。
久々だし、ブランク云々も心配だけど。

こっちの神様にも御挨拶、という体で。

『(……呪具で戦ってばっかだったしな。)』

手のひらに。頬に。四肢に。
ぽつぽつと降る雨を浴びるのが好きだ。

優しい優しい、恵みの雨。

思い出せば、それも焦がれる様に恋しくなって、任務が俄然楽しみになる。
戯れに降らせてはいけない。
でも、呪霊を祓うためなら、雨を乞うても許されるから。