【呪術廻戦】雨を乞う。⑤【男主】 (ページ34)

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特級ページ34

「あ‼夏油さん‼白拍子さん‼」

話は真剣なものから段々と雑談に変わって、ヴァイオリンを習っていたこと等々、向こうでの話をしていると。
缶コーヒーで乾杯したタイミングで、元気な声が耳に届く。

顔を上げれば、そこには二年生が立っていた。

「…灰原。」

『よ。』

灰原、と気軽に名前を呼ぶほどまだ親しくないから、軽く手を振るだけにとどめる。

距離の詰め方は人それぞれ。
見た感じ、多少はフレンドリーにしても大丈夫そうだと判断して、笑みを向ける。

「お疲れ様です‼」

明るい性格なのだろう、ぱっと笑みを浮かべてそう言う彼は表裏がなさそうだ。
素直で元気、警戒なんてするだけ無駄。
そう思わせる、根のひとの良さをひしひしと感じる。

「何か飲むか？」

傑が聞いた。
灰原はそれを聞いて、一旦は申し訳なさそうに「えぇ⁉悪いですよ、」と言ったものの、即座に

「コーラで !!!」

となんて無邪気に言うものだから、目を合わせて二人で笑った。

それからは三人で少し話して、多少は親しくなり俺も灰原、と呼ぶことを許してもらう。
土産や任務の話をした後、傑が切り出す。

「………灰原。」

呪術師やっていけそうか？辛くないか？

そんな質問で、彼が一般家系の人間だとわかった。
それを問う傑の心情も少し心配だが、彼の返答にも興味がある。
何も言わずに話を聞く体制をとった。

「そー…ですね。自分はあまり物事を深く考えない性質(タチ)なので」

自分にできることを精一杯頑張るのは、気持ちがいいです。

なんて、聞けばなるほど、と納得できる言葉。
彼はそういう人なんだと、それだけである程度は把握できて、好感度が上がった。

悟も気に入るわけだ。

いつぞやに、二年生のことを問えば、「相手次第」だと言った彼の姿を思い出して一人微笑む。

「そうか。」

そうだな、と頷いた傑。
その時現れた気配、近づいてくる足音に、顔を上げる。

「君達が夏油くんと白拍子くん？」

気配だけで、強い、とわかるその女性は俺達の名前を呼ぶ。
続けて聞かれた言葉に、内心少し驚いた。

「どんな女が好み(タイプ)かな？」