【呪術廻戦】雨を乞う。⑤【男主】 (ページ20)

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解放ページ20

突然の帰還だったために、彼らは普通に任務があるようで。

久々の再会だからとゆっくり話す間もなく、二年生二人と悟はすぐに教室を出ていく。
硝子は硝子でやることがあるようで、医務室に行ってしまった。
夜蛾先生も、俺が帰ってきたことを色々なところに連絡して回ってくると去っていった。

『(…出来過ぎなくらいだな。)』

偶然にも、傑は任務がないのか教室に残っている。

帰ってきて即、二人で話せる時間ができたことに内心少し苦笑した後に、ゆっくりと口を開いて切り出した。

『最近、どうだ？』

なんて、まずはお決まりの台詞から。

どう、と言われてもね。変わりないよ、と微笑むその口端は、どこかひきつっている。
ああ、やっぱり。

隠すこともできなくなるくらい、精神がやられてるのに、なんで言わないんだ。
否、彼が安心して頼れない、俺が悪いんだろう。

『そうか。』

悟は強く成ったな。
頷いて、変わった彼についての話を続けて言えば、それにも少し苦い顔をする傑。

…傑は、こんなにもポーカーフェイスが下手だっただろうか。
誰も気づいていないのか？それとも、静観するのが吉だと判断しているのか。

「そうだね。」

机に腰掛けて、相槌を打ち微笑む傑。
思えば、こうして二人でゆっくりと話すのは、物凄く久し振りかもしれない。
俺が海外に行くよりも前も、傑と二人で話す機会は極端に少なかった。