【呪術廻戦】雨を乞う。⑤【男主】 (ページ18)

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𠮟責ページ18

場所は変わって、高専、教室。

いや、なんとなく理解はしていたが。
ものすごい勢いで色々怒られた。

顔を合わせるなり、硝子に怒られ、夜蛾先生に怒られて、その後傑にも怒られた。

連絡ひとつもなしに、向こうでの任務を放って帰ってきたから仕方がない。
甘んじて受け入れる。
理由の説明を求められたが、それだけは、すごくわかりやすく誤魔化しながら。

俺は、普段隠し事をしない。
それをわかっているから、それ以上明らかに俺が”隠したがっている”ことを無理に聞いてくることはしなかった。
そういうところは全員変わっていないようだ。

相変わらずいい人たちだな。と実感していると。

「誰⁉…ですか⁉」

騒ぎを聞きつけたのだろう、見慣れない二人がそこには立っていた。
視線をそちらに流した傑が、

「灰原。」

と声をあげたその人の名前らしきものを呼ぶ。
なるほど、一年生二人…いや、今は二年か…というのはこの子達か、とそれだけでわかって、微笑み挨拶をした。

『白拍子 A。ウィーンに飛んで向こうで活動してた、君たちの先輩。』

聞いてるだろ、と言えば、二人はびっくりしたような表情の後、納得したように頷く。

五条さんの婚約者の、と言われて悟に視線を移せば、目を逸らされた。
悟、…お前、俺のことをなんて説明したんだ。

苦笑しつつ、

『そう、悟の婚約者の。』

と肯定し、初めましてと挨拶をする。
色々あった、説明が難しい事情で海外に行った、そんなことくらいしか聞いていなさそうだな、とその反応を見て思う。

灰原雄。
七海健人。

それぞれの名乗りを聞いて、よろしくと微笑み。

そんな新たな出会いがありつつ、突然帰ってきた俺に皆驚きが隠せないようで。
理由を説明していないから、尚更気にかかるのだろう。

『暫く、…そうだな、二、三ヵ月。足りなければもう少し。』

それくらいは、日本にいるよ。捜索は中断する。
そういえば、何か目的があって戻ってきたというのは、充分に理解できたのだろう、諦めたように歓迎の体制を取ってくれる同級生たち。

傑は、やはり時々視線を落としては、どこか辛そうな様子を見せていた。