【HQ】専属パシリ【宮兄弟】 (ページ7)

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7パシリ。ページ7

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「お、焼きそばパンやん」

結局無難なものが一番だろうと選んだものを侑くんに手渡せば、彼は満足そうに頷いた。

「ほい、金」

『ありがと』

侑くんからお金を受け取り、いつも通り教室に帰ろうとした私を治が引き止めた。

「たまには一緒に食おうや」

「は？何勝手なことしてんねんサム」

「嫌ならお前がどっか行けや」

「嫌なんて一言も言うてませんけど」

目の前で突如起こった双子論争に呆れてため息がこぼれる。こっちの意思は聞く気ありませんってか。

『私が嫌なんだけど、それに友達待たしてるし』

「別にお前の事なんか待ってへんやろ」

侑くんがあまりに真顔で言うから心に釘が刺さったようだった。治がすかさず侑くんの頭をスカンと叩いた。

「オマエちょっとAに対してキツすぎへんか？」

「は？俺は思ったこと言うてるだけや!!」

「それがキツイっちゅうてんねん!!」

「ほな優しくするのが正解なんか?! ほんまのこと言わんと、嘘ついてでも優しくすることが正義なんか?!」

「何の話やねん!!飛躍しすぎや!!」

『もういいよ二人とも…』

同じような顔二つがタイミングを合わせたかのようにクルリと私を見る。先に目を逸らしたのは侑くんで、私が買ってきた焼きそばパンの封を乱暴に破いた。

「ん、美味い」

『そうそう、お腹すいてるからイライラしてんの。さっさと食べて元気つけな』

『それじゃ』と早々に立ち去る。治が私の名前を呼んだ気がしたけど、振り返るとまた面倒な事になりそうなのでシカトした。

「オマエ、シカトしたな？」

昼休みの終わりがけ、二組の教室から帰ってきた治が私に詰め寄った。

『仕方ないじゃん』

「A、ツムの事キライ？」

治の言葉になんて返そうか迷う。侑くんに対し、好きも嫌いも考えた事なんて無かった。

でも、彼の事を未だに怖いと思うし、これはキライって事なのかな？でもキライだったらそもそも関わりなんて持たないし…

『分かんない』

「あそこにツムがおれへんかったら一緒にメシ食ってくれた？」

『何、そんなに私とご飯食べたかったの？』

「おん」

頷いた治の顔が、とても冗談を言っているようには見えなくて鼓動が早くなる。

『やめて、そうやってからかうの』

「からかってへんし」

治はそう言うと大きく伸びをして机に伏せた。しばらくして顔だけクルリと私に向ける。

「なあ、ツムの事キライって言って」