＊３５ ページ47
＊
なんだかんだ言って薔薇を赤く塗るのを手伝うことになった。
魔法の使えるグリムとデュースはダイヤモンドさんに色変え魔法をレクチャーされている。
魔法封じをされているエースと、魔法が使えないユウと私は赤いペンキが入ったバケツとハケを持たされ、今は白い薔薇を丁寧に着色していた。
少々高い位置にある薔薇を梯子に上手く腰掛けながら塗っていく。
真っ白な薔薇にペンキを塗るのは気がひけるが仕方がない。
( ……ルール、か。この様子だと、決まり事が多くてここの寮生達は窮屈に感じそうだな )
人工塗料によって赤く染められた薔薇を見て、小さくため息をついた。
_____________________________________
無事に薔薇も塗り終わり、エースが謝るために寮長がいるかダイヤモンドさんに確認したところ、予想外のことが判明した。
何と、ハートの女王の法律第53条『 盗んだものは返さなければならない 』に反しているため、お詫びのタルトを持ってこない限りこの寮には入れないらしい。
朝一で手ぶらできてしまったため、エースは勿論タルトなんて持ってきていない。
そもそもそんなルールがあるだなんて入学して二日目の新入生が知るわけもないのである。
「 この寮にいるからには、ルールに従ってもらわないと。見逃したら首をはねられちゃう。悪いけど、リドルくんが気づく前に、出てってもらうね 」
そう言ってダイヤモンドさんは先ほどのニコニコ笑顔とは違う、冷たい表情になって魔法を放ったのだった。
_____________________________________
上級生の力にかなうはずもなく、私たちはダイヤモンドさんに寮から追い出された。
「 なんなんだよアイツ〜！」
「 倒しても倒しても湧いてきた……幻覚魔法か何かか 」
ムキーっと悔しそうに言うエースに、デュースが疲れたように続けた。
「 それより、タルトがなかったら門前払いなんだろ？オレら最初から手ぶらだったじゃん 」
つまり、元から寮には入れないのは分かっていたのにあえて先に言わず、元から薔薇を塗るのを手伝ってもらおうと考えていたのだろう。
おちゃらけているようにみえて案外頭が切れるようだ。
「 じゃあ、お詫びのタルトを用意して出直しだな。放課後にでも……ハッ！！やばい！！」
そう言いかけてたデュースが時計を見てサァっと青ざめる。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 946人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aya＿?(プロフ) - 設定で下にスライドした瞬間イケメンがあらわれた。 (2020年7月21日 22時) (
レス) id: 796b23147c (このIDを非表示/違反報告)
音符(プロフ) - 続編にいけない…(´；ω；｀) (2020年7月5日 22時) (レス) id: 27532e9d38 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧。(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます！夢主ちゃんがこれからどう魔法に対抗していくかを楽しみにしてくだされば幸いです(^^) (2020年5月19日 19時) (レス) id: ee2ffa1e97 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 強い！ (2020年5月19日 15時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
朝霧。(プロフ) - 霊夢さん» コメントありがとうございます！私もイベントプレイしてた時に夢主ちゃんに合いそうだなぁと考えてました笑 丁度執筆中なのでいつになるか分かりませんが近いうちに公開させますのでよろしくお願いします！ (2020年5月6日 15時) (レス) id: ee2ffa1e97 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朝霧。 | 作成日時：2020年4月23日 21時
