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今日はいよいよ学園長室で寮長会議が開かれる日だ。
副寮長としての名を恥じぬよう、渡された資料を何度も確認したり調べたりしてきたので予め準備は出来ている。
『 ……寮長。よろしくお願いします 』
「 ……う、うん。本当は行きたくないでござるが……Aの為なら……。実質イグニハイドの副寮長就任を報告するようなものでもあるし…… 」
学園長室の扉の前で改めて寮長に頭を下げれば、寮長は決意したようにグッと拳を握った。
寮長会議は普段はタブレットで参加しているらしく、生身で参加だなんて滅多にないから行きたくないと道中文句を垂らしていたが、ここまで来て引き返すわけにはいかないと思い直したのだろう。
『 ……ありがとうございます 』
そうまたお礼を言った後、寮長は失礼しますと震えた声で扉を開けた。
ゆっくりと開かれる豪華な装飾がされた扉の音は、何か悪いことをした訳ではないのにやけに重々しく感じる。
「 あぁシュラウド君。よかった、いつものようにタブレットで参加されると思っていましたよ!他は全員揃って……おや、君は?」
普段見かけない学園長の声が聞こえた。
先に寮長が入ってその後ろに続いて自分が入るので、自分に気づいたらしい学園長と目が合う。
その時に初めて複数の生徒がいるのに気づく。
「 ……ひぃっ、せ、拙者達にめっちゃ視線が集まってる……!A、自己紹介して下され…… 」
数人の視線に耐えられないのか、目にも止まらぬ速さで俺の背中に隠れる寮長。
( ……こっちの方が背が低いから隠れきれてないが…… )
やっぱり人前は苦手なんだな、と寮長を見た後、それによって全員の視線が自分に集められている状態になる。
( ……俺も人の事言えない。注目されるのも人前に立つのも好まない……。落ち着いて挨拶しなくては )
彼らに分からないように呼吸を整える。
『 ……お初にお目にかかります。イグニハイド寮所属、1年E組のA・バレンタインです。この度、僭越ながらイグニハイド寮副寮長として就任させて頂きました。度々ご迷惑をお掛けしてしまうと思いますが、どうぞよろしくお願いします 』
そう言いきり、しっかり頭を下げて挨拶をした。
声も震えていなかったし、何とか挨拶はできたと思う。
( 誤字がありましたので一部修正させていただきました。ご指摘して下さった方ありがとうございます )
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いにみっちょ(プロフ) - 初めまして、読みやすくて続きが気になるお話見つけて嬉しくてコメントさせていただきました✨更新楽しみにしてます。 (2022年11月12日 19時) (レス) @page38 id: 2cf0cd68b6 (このIDを非表示/違反報告)
トムジェリ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!続きも楽しみにしています!!! (2022年10月31日 9時) (レス) id: cc774e2595 (このIDを非表示/違反報告)
runva - この主のキャラ好き…‼更新待ってます‼ (2022年6月25日 22時) (レス) @page37 id: b1b697b532 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - 更新おめでとうございます!久しぶりや〜ホンマになぁ。一匹狼かっこいい…!ジャックと気が合いそうな気がしなくもないですね!オミクロンと567には気を付けてください! (2021年12月3日 12時) (レス) @page25 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 出張頑張ってください! (2021年11月24日 17時) (レス) @page24 id: b8d28e8162 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朝霧。 | 作成日時:2021年11月13日 17時