この男、策士*ドンピシャ ページ38
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「カンパーイ！」
カチンとグラスの当たる音がして、ああ何でこうなったと後悔を一つ。
「いやぁAちゃん、ホント久しぶりだよねえ」
「あー、うん、ね。久しぶり。」
会う気は無かった。
信じてもらえないかも知れないけど、この人を忘れたはずだった
私は元カノで、不仲になって別れた訳じゃないんだけど
せいじくんの上京で遠距離恋愛は難しいとなってどちらと言わずお別れした
「…あの、せいじくんさ。」
「んー？なあに」
「(彼女はいるの、何のお仕事してるの、どこに住んでるの…何て聞いても困らせちゃうだけだしなぁ…)」
「Aちゃん？」
「あ、えーと…元気だった？」
元気に決まってるじゃん。
この人が元気じゃない時なんて、私は見た事無いんだから
「んー、あんまし！…俺さあ、悩んじゃったのよ」
ピッチの早いせいじくんのグラスはもう空きそうだった
そんなグラスを落ち着きなくにぎにぎとする彼の姿は初めて見る。
「悩みがあるの？」
「うん。」
話を聞いてあげよう。
今の私なら冷静に聞いてあげられるかも知れない、
そんな心積もりで。
「Aちゃん、耳かして」
「はい」
テーブルに手をついて耳を寄せる
せいじくんはやけに嬉しそうだ
「Aちゃん、好きだよ」
耳をくすぐるせいじくんの声
何て言ったのかよく分からなくて、理解出来なくて固まってしまう
「え、と、？」
「だぁから、好きだよ？って。」
「私が？」
「うん」
飲み始めたばかりだけど酔いが回ってきたかな。
信じられない私が憎い。
「ちょ、待ってよ…。混乱する…！」
「顔、赤いよ？酔っちゃったかなあ」
「っ、せいじくん、意地悪になったね？」
「どうだろう〜。でもご飯はもう良いよねぇ、出よっか」
立ち上がるせいじくんに手を引かれる
何も言い返せない。
こんなに恥ずかしい事があってたまるか！
「ん〜、タクシーあるかな〜」
ありがとうございましたー、店員さんの声が遠い。
まだ少し涼しい夜に2人で駅まで歩く
変わらず手は繋がれたままだ
「せ、せいじくん」
「なあに」
「私、せいじくんの事忘れてたよ…？」
「いいよぉ。俺がずっと覚えてたから」
きゅんっ
はにかみながら話す顔を見てしまえば、もう。
「俺ん家で飲みなおそ？そんでたくさん話しようよ。
俺が知らないAちゃんの事、教えて？」
ノックアウト、まだ好きでした。
*お久しぶりです。
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あさひ(プロフ) - そらさん» そらさまこんばんは！コメントありがとうございます！続編希望ありがとうございます、拙い話ながら好きと言って頂けて嬉しいです！一応、遅くはなりますが作ろうかなと考えておりますので、お待ち頂ければ幸いです！ (2019年10月14日 20時) (
レス) id: 5014320719 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - こんばんは！ぜひとも続編お願いいたします、、！！！あさひさんの書かれるお話が好きなのでどうか、、！！ (2019年10月14日 17時) (レス) id: 94bc02c47a (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！毎晩ですか！ありがたいです〜！これからもゾワゾワ出来るドンさんを提供したいと思っていますので、良ければまた見に来てやって下さいませ〜！！ (2019年7月21日 21時) (レス) id: 5014320719 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - あさひさんの書かれる（特に）ドンさんが大好きです...(*´∀`)多くを語らずとも、行間で心の揺れや状況が伝わってきてゾワゾワします。毎晩更新を楽しみにしてお邪魔しております...どうか無理なく楽しく続けられますよう、一ファンとして応援しております！ (2019年7月21日 0時) (レス) id: c17b8e2d3c (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！気に入って頂けて嬉しいです…！そうなのです、心の中ではこんな感じの人では？と言うか希望から出来たお話でした！良ければまた見に来てやって下さいませませ〜(^^) (2019年5月22日 18時) (レス) id: 406d7cd103 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさひ | 作成日時：2017年10月28日 19時
